(写真はイメージです/PIXTA)

不祥事が発生した場合、その企業の信頼が著しく損なわれ、経営に大きなダメージを与えてしまいます。もし自分の会社で起こってしまった場合、どうすればよいのでしょうか。今回は、企業法務に詳しいAuthense法律事務所の西尾公伸弁護士が、企業による刑事事件のうち4つの具体例を挙げながら、適切な対処法について解説します。

不祥事の際「弁護士に相談」がマストな理由

企業が刑事事件に巻き込まれそうになったり、刑事事件の当事者となってしまったりした場合には、早期に弁護士へ相談することをおすすめします。

 

その理由は次のとおりです。

 

早期の解決へとつながる

弁護士へ相談をすることで、早期の解決へつながりやすくなります。刑事事件に詳しい弁護士であれば、解決までの全体像を見据えたうえで必要な対応を行うことができるので、段取りよく解決へと導くことができるからです。

 

また、無理に当事者のみで対応をしようとした結果、誤った対応をしてしまえば、問題が長期化してしまうおそれがあります。

 

事実関係の調査やヒアリング、捜査機関の対応などを任せられる

刑事事件に巻き込まれると、事実関係の調査や関係者へのヒアリング、捜査機関の対応などで多大な労力と時間を要することが珍しくありません。このような対応に追われることで、企業の本業に支障が出てしまう可能性があるでしょう。

 

早期に弁護士へ依頼すれば、このような対応を弁護士へ任せることができるため、事件の対応に割く時間が最小限で済む点がメリットの1つです。

 

違法行為を行った社員への懲戒処分も含めて相談ができる

社員が違法行為を行ったことで刑事事件へと発展した場合には、その社員の今後の進退についても検討しなければなりません。

 

企業としては、問題を起こした社員は即刻で解雇をしたいと考える場合が多いかと思いますが、ケースによっては解雇が無効だとして訴訟を提起されるなど、別の問題に発展するおそれがあります。

 

刑事事件への対応を弁護士へ依頼することにより、問題を起こした社員の懲戒解雇など周辺や事後も問題も含めてアドバイスを受けることが可能です。

 

「レピュテーションリスク」に対応してくれる

社員の逮捕や、企業自体が捜査の対象になり、それらが報道されると、企業イメージに傷がついたり、その報道をもとに、憶測や風評などで、さらに信用が低下したりしてしまう恐れがあります。

 

このようないわゆるレピュテーションリスクを防ぐために、早期にプレスリリースや、記者会見を行ったり、第三者委員会を立ち上げて、企業自身で調査を行ったりすることが重要ですが、その方法や、タイミング等について、弁護士に相談しながら行うことで、適切に対処することが可能です。

 

これらの対応を誤ったために、企業に対する批判が大きくなり、取り返しのつかないダメージを受けた例や、逆に適切な対応をしたことにより、ダメージを最小限度に抑えることができた例は、多々見受けられます。

 

再発防止につながる

弁護士へ、刑事事件への対応を相談することで、再発防止につなげることが可能となります。

 

多くの刑事事件を担当してきた弁護士の知識と経験により、発生した事案を踏まえて再発防止策についてのアドバイスを受けたり再発防止策を講じたりすることができるためです。

 

 

西尾 公伸

Authense法律事務所

弁護士
 

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本記事はAuthense企業法務のブログ・コラムを転載したものです。

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