(※写真はイメージです/PIXTA)

商品やサービスを一般消費者に向けて提供する「B to C(Business to Consumer)」企業と異なり、法人に向けて事業を行う「B to B(Business to Business)」企業は、マスコミへの営業が有利ではありません。日本経済新聞の記者から「B to B」企業広報に転身した日高広太郎氏の著書『BtoB広報 最強の攻略術』(すばる舎)で効果的な戦略を解説します。

業界紙に掲載されたネタは再生産されるケースも

もう一つの理由は、記者が記事ネタを探す際に、必ずほかのメディアの記事を検索するからです。検索の方法は、多くのメディアの過去記事を調べられる「日経テレコン」などのツールを使うことです。「日経テレコンを最も利用しているのは日経新聞の記者だ」という笑い話があるほどで、記者は毎日のように、こうした検索ツールやインターネットなどで自分の担当企業の関連記事を検索しています。

 

全国紙の記者の場合、週末紙面を埋めるための出番原稿を出稿する際には、業界紙などに出ている記事を検索することもよくあります。これはある意味では、記事が足りない時に紙面を埋めるための裏ワザです。業界紙は全国紙に比べれば発行部数が少なく、読者が限られます。仮に同じネタでも、追加取材して内容を洗練させれば、多くの人たちにとっては新しいニュースになる場合があります。

 

デスクや部長もすべての業界紙に目を通しているわけではありませんから、社内でも業界紙に掲載されているネタを追加取材していると気づく人はほとんどいません。業界紙の記事を追加取材しているうちに、さらに新しいニュースが見つかって、特ダネにつながるケースもないわけではありません。

 

もちろん、全国紙の記者がいつもこうしたことをやっているわけではありませんが、決して珍しい話ではありません。業界紙やネットメディアを含めて、あらゆる情報を集めるのは良い記者の条件の一つでもあります。広報担当者としては、こうした記者の行動を逆手に取って、大きなメディアに記事を掲載してもらえるチャンスを増やせるわけです。
 

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BtoB広報 最強の攻略術

BtoB広報 最強の攻略術

日高 広太郎

すばる舎

日本経済新聞社のエース記者として活躍し、東証一部上場の「BtoB企業」の広報担当役員に転身、年間のメディア掲載数を就任前の80倍以上に増やした広報のプロフェッショナルである著者。現在は独立し、広報コンサルティング会社…

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