BtoB企業を待ち受ける、広報活動の分厚い壁 (※写真はイメージです/PIXTA)

商品やサービスを一般消費者に向けて提供する「B to C(Business to Consumer)」企業と異なり、法人に向けて事業を行う「B to B(Business to Business)」企業は、マスコミへの営業が有利ではありません。日本経済新聞の記者から、「B to B」企業広報に転身した日高広太郎氏の著書『BtoB広報 最強の攻略術』(すばる舎)で効果的な戦略を解説します。

経験なし、看板なし…元記者の私も当初は苦労の連続

私の入社前の転職先には、広報担当者はいたものの、広報部という組織はありませんでした。1年間のメディア掲載数(報道)は10件前後にとどまっていたことから、会社の知名度や認知度が低いことが弱点でした。

 

メディア露出は1か月に1件あるかないか、しかも、どのメディアに掲載されるか決まっているわけでもありません。これでは知名度や認知度が上がるはずがないと思いました。

 

そこで私は、入社直後に広報部を立ち上げ、メディアへの記事掲載数を増加させることと、それを通じた知名度向上を目標に掲げました。

 

そして「メディア掲載を1年で今の10倍の100件以上に増やすことができなければ、僕はこの仕事に向いていない。その時はこの仕事に向いている人か、PR会社を改めて探してもらおう。自分は今の会社を辞めて、ジャーナリストに戻ろう」と決めました。

 

不退転の決意で自分なりの目標を決めたものの、最初は名刺の引継ぎがほとんどないために、各メディアの電話番号さえもわからない状況でした。そうした意味では、私の入社時の広報部は、現在の読者の皆さんの会社よりもずっと遅れていた、と言って良いかもしれません。

 

私は「ダメでもともと。立ち止まっていても仕方がない」と考え、ひとまず新聞社に入社した時から先輩に教えられて使っていた『マスコミ電話帳』という本を購入し、掲載されている新聞社の代表電話にかたっぱしから連絡をして、アポイントをお願いすることにしました。この手の本には、多くの新聞社や雑誌、テレビ、インターネットメディア、芸能事務所などの連絡先が掲載されていますので、私は以前から利用しています。

 

しかし、広報担当になった当初は、代表電話から現場の記者に電話をつないでもらうのは容易ではありませんでした。私が所属している企業が有名であれば、簡単に記者につないでもらえるのかもしれませんが、当時の転職先は「知る人ぞ知る」企業、言い換えれば「マスコミ業界では無名企業」だったからです。

 

前ページの漫画は、転職直後の私が行っていた広報関連の営業電話の一場面です。当時はこのような形で、冷たく電話を切られることは日常茶飯事でした。「こんなことで大丈夫なのだろうか」「広報みたいな仕事、受けなきゃよかった」。話を聞いてもらえずに電話を強引に切られた時には、こんなふうに不安や自分の力不足への情けなさばかりが頭をよぎりました。

 

もとより覚悟していたこととはいえ、元・大手新聞の記者だった私も、無名の会社に転職し、広報という自分にとってはじめての仕事についてみて、「看板なし」の洗礼を受けたわけです。

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    広報コンサルティング会社 代表 

    1996年慶大卒、日本経済新聞社に入社。東京社会部に配属される。ドラッグストアなど小売店担当、ニューヨーク留学(米経済調査機関のコンファレンス・ボードの研究員)を経て東京経済部に配属。財務省、経済産業省、国土交通省、日銀、メガバンクなどを長く担当する。日銀の量的緩和解除に向けた動きや企業のM&A関連など多くの特ダネをスクープした。東日本大震災の際には復興を担う国土交通省、復興庁のキャップを務めた。シンガポール駐在を経て東京本社でデスク。2018年8月に東証一部上場企業に入社し、広報部長、執行役員等を務める。現在は独立し、広報コンサルティング会社の代表を務める。

    著者紹介

    連載メディアに注目されにくい「BtoB企業」のメディア露出を、劇的に増やす方法

    BtoB広報 最強の攻略術

    BtoB広報 最強の攻略術

    日高 広太郎

    すばる舎

    日本経済新聞社のエース記者として活躍し、東証一部上場の「BtoB企業」の広報担当役員に転身、年間のメディア掲載数を就任前の80倍以上に増やした広報のプロフェッショナルである著者。現在は独立し、広報コンサルティング会社…

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