(画像はイメージです/PIXTA)

香港在住・国際金融ストラテジストの長谷川建一氏(Wells Global Asset Management Limited, CEO)が「香港・中国市場の今」を解説していきます。

新型コロナ感染者の拡大が依然として市場懸念に

中国本土市場でも上海総合指数は前日比0.3%高の3,364.40と3日ぶりに反発。中国国内では新型コロナウイルス感染が再び拡大していることなどを不安視した売りが先行したもの、香港市場同様に下値は底堅く指数はプラスに転じた。

 

香港市場は中国自動車関連株が大幅上昇。広州汽車(2238)は同7%高、吉利汽車(0175)、常州自動車 (2333)はそろって同6%高と取引時間で上げ幅を拡大した。

 

中国商務部、財政部など中央政府17部門は、「自動車の循環の活性化と自動車消費の促進」のための一連の措置を発表した。この処置には、電気自動車向け免税措置の延長検討方針や中古車販売規制の一部撤廃計画などが含まれる。

 

また年度末で期限を迎える購入税の支払い免除については、期限の延長を検討する可能性があるとしたことが材料視された。

 

ゼロコロナ政策を実施する中国では依然として新規感染者の拡大が市場懸念をくすぶる。北京では新たな変異系統「BA.5.2」が発見されるなど主要都市でのリバウンド基調もみられる。

 

アジア市場をはじめ米国市場ではボラティリティの高い動きが続き、市場の目先は商品市況とインフレ期待からリセッションリスクが高まっている。

 

昨日発表された米ISM非製造業指数については6月は2年ぶり低水準と3ヵ月連続で低下した。FRBが積極的な金融引き締めスタンスを取るなか、景気後退による労働需要は減退しつつあり、雇用指数は2020年7月以来50を下回った。

 

6月のFOMC議事録でもリセッションという言葉は1回も言及されず、インフレへの言及が合計90回にのぼるなど、近く、FOMCでも景気後退を織り込んで政策転換を進める可能性が高いと思われる。

 

 

 

長谷川 建一

Wells Global Asset Management Limited, CEO/国際金融ストラテジスト<在香港>

 

 

 

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