株価は今回、「それなりに」下がっている
現在のS&P500はすでに、ピークから最大で「23.6%」の下落が生じています。日次ベースでは今年1月3日が株価のピークです。過去の平均下落率と比べると、「株価はそれなりに下がっている」という印象を受けます。
今回の株価調整は、タイミングがかなり早い
加えて、これまでのデータをみると、株価のピークは平均して「景気後退入りの約5ヵ月前」、株価のボトムは平均して「景気後退明けの約5ヵ月前」に生じています。すなわち、想像どおり「株価が景気に先立つ」ということです。
しかし、そう考えると、今回は、
2.(失業率の上昇で特徴づけられる)景気後退はまだ始まっていない
わけですから、景気後退の訪れを仮定すれば、「株価の調整は、かなり先行している」と考えられます。
実際、「前のめり」しているのはマーケットだけでなく、(いつもは強気を装う)米連邦準備制度理事会(FRB)も同様です。
パウエル議長は先日、議会の公聴会で「(景気後退は)我々が意図する結果ではないが、たしかにひとつの可能性である」と極めて率直に述べました。また、FRBのエコノミストは、インフレ率、失業率、クレジット・スプレッド、ターム・スプレッドに基づき、向こう四半期の景気後退確率を「50%超」と分析しています。
なんだか誰もが景気後退の準備をしているようにみえます。
では、「株価のピークは今年1月」で、「このまま景気後退に向かう」とすれば、株価のボトムはいつでしょうか。
重要なポイントは、「株価ボトムまであと何ヵ月?」という問いは、「安く買えるのはあと何ヵ月?」という問いに転換できるということでしょう。