景気の気は、気持ちの気
マーケットは移り気です。ついこの前までは誰もが「インフレ」を懸念していると思ったら、今度は米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長を含め、誰もが「景気後退」の話をしています。
「景気の気は、気持ちの気」とはいうものの、これほど誰もが景気後退を見始めると、そうそう簡単には起きない気もしてきます。マーケットのポジションもそうですが、待っているとなかなか起きず、待ちくたびれて「折れた」ころにそっちに向かうものです。
パターンでいえば、景気が持ち直して「やっぱ景気後退はこないんじゃないの!?」「今回は違うんじゃないの!?」という話が出たあたりで(そのときは株価もだいぶ戻すのですが)、突然に景気後退入りして、「やっぱそうか」「やっぱいままでのサインは正しかった」となります。
言い換えれば、いまはまだ「油断が足りない」のかもしれません。多くの人が油断し始めたら要注意です。
マーケットはサプライズであふれています。毎日なにかしらのサプライズが起きることを否定する人はいないでしょう。サプライズが起きるということは、毎日いまの織り込みからは「ずれた」ことが起きている(≒いまの織り込みどおりのことは起きない)ということにほかなりません。
「景気後退」が織り込まれるなか、「インフレ」なのか、「もっと深刻な景気後退」なのか、どちらかが我々を待っているのかもしれません。
今後の景気後退はどれほど深刻か
さて、今週も、多くの方が気にされている景気後退の話をします。先週までの話を簡単に振り返ると、超長期のデータに基づけば、
・今回のマーケットの調整は(タイミングとしても下落幅としても)かなり先に進んでいる可能性がある
・(調整が早く進んでいる分)マーケットのボトムは「今年の終わりから来年の前半ごろ」にかけて生じる可能性がある
とお伝えしました。
今日は「今度の景気後退がどの程度なのか」について考えたいと思います。幾分楽観的な考え方であることを付け加えておきます。