長短金利がふたたび逆転
加えて、先週、2年と10年の米国債利回りは、4月1日以降、再び逆転しました(→日中のみ)。
データが取れる限り(1962年以降)でみて、過去10回の「逆イールド」のうち、8回が景気後退につながっています。その8回をみると、逆イールドから景気後退までの期間は「平均15.6ヵ月」です。
上記のとおり、フェデラルファンド金利先物をみると、「来年5月ごろからの利下げ」が織り込まれています。必ずしも「利下げ=景気後退」ではないものの、多くの場合においてはそうであり、金融市場は「パターン」どおり、「利上げ開始や逆イールドの後、1年~2年くらいで利下げや景気後退が生じる」と見込んでいます。
また、最近では、米国の大企業の経営者たちも相次いで、景気後退の可能性に言及しています。
「景気後退はどの程度恐れるのが、しかるべき(平均的な)恐れ」なのでしょうか。
景気後退時の株価はどのくらい落ちるか?
[図表6]に示すとおり、現時点で入手可能な(1871年からの)S&P500のデータにしたがうと、景気後退前の株価ピークから景気後退中の株価ボトムまでの平均下落率は27.9%です(→景気後退に入ってからピークを付け、景気後退が終わってからボトムを付ける場合を含む)。
1871年から直近までに、米国の景気後退は「30回」あり、そのうち「28回」で株価は下落基調になっており、上記の数値は、その28回の平均値を取ったものです。
残りの2回は、景気後退前から景気後退が終わる期間まで、株価が上昇トレンドにあったため、データからは除外しました(→これら2つを含めると、平均値は改善するため、保守的に除外しました)。
28回のうち、株価がピークをつけるのは平均して「景気後退入りの5ヵ月前」で、株価がボトムをつけるのは平均して「景気後退明けの5ヵ月前」でした。平均すれば、「株価は景気を先読みして動く」ということです。
今回はすでに、株価は今年1月の高値から最大で23.6%下落しています。
そう考えると、いまは、すでに大きく調整している米国成長株式を含め、特定の資産を売却することでポートフォリオのバランスを崩してしまうよりも、幅広い資産に分散をして、長期の積み立て投資を行っていくべき局面に思えます。