会話の中で個人情報が知られているか確認する方法
次に、2つ目の質問。会話の中で個人情報が知られているかを確認する方法についてお話します。
まず、かなこさんは不貞相手に対して、あなたの住所を教えていたかを確認してください。また、住所以外にも電話番号を伝えていたかを確認してください。住所・電話番号を伝えていない場合には、探偵による追跡調査がなされていない限り、あなたの住所を特定することはできません。
LINEにかかる情報だけでは、あなたの現住所を特定することは困難でしょう。もし電話番号が知られている場合、弁護士による弁護士会照会により、携帯電話会社に対して、住所を含めた契約者情報の開示を求めることができます。
しかし、本件では、不貞相手の妻本人が交渉窓口となっている状況からすると、現時点で弁護士に依頼をしていないものと推察されます。もし、かなこさんが、不貞相手に住所を伝えていたとしても、不貞相手がその妻に対して、かなこさんの住所を伝えているとは限りません。
そこで、まず、不貞相手に対して、かなこさんの住所を不貞相手の妻に教えたかを確認しましょう。不貞相手がその妻に対して、あなたの住所を伝えていないのであれば、不貞相手の妻があなたの住所を知る術はありません。
もし、不貞相手と連絡がつかない、あるいは、不貞相手の回答が曖昧な場合には、不貞相手の妻から聞き取るほかありません。直接、「私の住所をどのようにして知るに至ったのですか?」とストレートに聞く方法もあるかと思います。
しかし、不貞相手の妻を逆上させてしまい、交渉を難しくさせるリスクもあります。そこで、不貞相手の妻が提示する内容証明の文案を見せてもらい、文中にあなたの住所が記載されているかを確認しましょう。
連絡先の転送行為は不正アクセス禁止法に触れる!?
次に、3つ目の質問。他者の携帯電話からメッセージアプリの連絡先を、自身の携帯電話に転送する行為は「不正アクセス禁止法」に触れるか? についてお話します。
不正アクセス等の禁止に関する法律(不正アクセス禁止法)では、「不正アクセス行為」を禁じており、不正アクセス行為の禁止に違反した者は、3年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処せられることとなっています(第11条)。
不正アクセス行為とは、以下のようなことをいいます。
(1)インターネットを通じて、各種のITサービスや機器に対し、ID・パスワードを入力する(なりすまし行為)
(2)コンピュータの安全対策上の不備を攻撃して、コンピュータを利用可能にする(セキュリティー・ホールの攻撃)