「事業承継」M&Aが急増?そのメリット・デメリットを解説 (※写真はイメージです/PIXTA)

近年、親族以外から後継者探しを行う「事業承継」M&Aが急増しています。広く外部に後継者候補を求めることができ、M&Aは事業承継を解決するだけではなく、雇用維持、事業の維持・発展にも貢献します。株式会社M&Aナビ社長の瀧田雄介氏が著書『中小企業向け 会社を守る事業承継』(アルク)で解説します。

M&Aは事業承継問題を解決する有益な手段

■新たな承継方法として注目される「M&A」

 

ここからは、「M&A」について、詳しく解説します。

 

M&Aは正式には「Mergers and Acquistions」の略語で、日本語に訳すと「企業の合併・買収」を意味します。

 

会社の経営権や事業を渡す側は「売り手企業(譲渡企業)」、買収する側は「買い手企業(譲受企業)」などとも呼ばれ、近年は後継者問題を抱える企業にとっての課題解決や不採算事業の売却、買い手企業にとっても事業拡大のための有益な手段として注目されています。

 

特に、事業承継に悩む中小企業のM&A(中小M&A)に焦点を当てて話を進めていきます。

 

事業承継を目的としたM&Aのメリットは、広く外部に後継者候補を求めることができる点です。子どもは別の仕事についていて継ぐ意志がない、後継者候補がいないといった場合でも複数の買い手企業から手が挙がる可能性があり、事業継続はもちろん、シナジー効果でさらなる発展を期待することができます。

 

M&Aは現経営者が保有する自社株式を売却するのが前提なので、それに伴う利益を獲得できるのも、注目すべきメリットでしょう。高齢の経営者であれば、これを元手に引退後も安定した暮らしを実現できる可能性があります。

 

また、株式譲渡の場合に発生する税金は分離課税の株式譲渡課税のみなので、他の方法に比べると課税負担が軽くなることもあるようです。何より、自身が育ててきた会社が存続することは、経営者にとって喜ばしいことに違いありません。

 

ただし、M&Aは相手の選定や買収条件にかかる交渉などで時間がかかり、専門の仲介会社やアドバイザーに実務を任せると、費用もかかります。希望の条件を満たす相手が見つかるかどうかもわからず、相手探しに難航するケースもあるようです。別会社に経営・事業を売却することで、大事にしてきた社風や経営方針、労働条件、取引先が変わる恐れもあります。

 

これにより、従業員の離職が起きる可能性も否定できません。細かい話では、オーナー企業の場合は節税目的で購入した土地や車を、実質的にプライベートで使っているケースもあるでしょう。M&Aを通じて事業用資産を売却すると、これらも手放すことになります。

 

このように一長一短あるM&Aですが、私自身は事業承継問題を解決する有益な手段だと考えています。課題を抱えている方は、選択肢に加えるべきです。

 

瀧田雄介著『中小企業向け 会社を守る事業承継』(アルク)より。
瀧田雄介著『中小企業向け 会社を守る事業承継』(アルク)より。

 

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株式会社M&Aナビ 代表取締役社長

1990年生まれ。広島県出身。大手業務基幹パッケージベンダー株式会社ワークスアプリケーションズにて、人事・給与プロダクト開発に従事。その後、スタートアップ企業にてサービス開発を経験し、ソフトウェア開発会社を設立。M&A ナビの開発に当初より関わり、2019年1月取締役CTOとして株式会社ALIVALに参画。2021年2月に代表取締役社長就任、商号も株式会社 M&A ナビに変更する。日本の事業承継問題を解決できるような新たなプラットフォームの創出を目指す。後継者不足で悩む経営者と親密な関係を築いている地域金融機関がM&Aのメインプレイヤーになるべきという想いから、現在は、自社サービスを地域金融機関にSaaS として提供し、地域金融機関のM&A・事業承継のDXを支援する。
株式会社M&Aナビ
https://ma-navigator.com/

著者紹介

連載後継者がいなくても大丈夫!大事に育ててきた会社を100年先につなぐ方法

※本連載は、瀧田雄介氏の著書『中小企業向け 会社を守る事業承継』(アルク)より一部を抜粋・再編集したものです。

中小企業向け 会社を守る事業承継

中小企業向け 会社を守る事業承継

瀧田 雄介

アルク

後継者がいなくても大丈夫!大事に育ててきた会社を100年先へつなぐ、これからの時代の「事業承継」を明らかにします。 日本経済を支える全国の中小企業は約419万社。そして今、その経営者の高齢化が心配されています。2025年…

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