ホテルコンドミニアム投資の“注意点”
ここまでに確認した収支の様子を踏まえて、ホテルコンドミニアムに投資する際の注意点について説明していきます。
①ほとんど自分で使用することはない
ハワイのホテルコンドミニアムを持っている人はしばしば「自分で買えばよいのではないか」「売れなければ自分で住めばいいだろう」と言うのですが、実際はほとんど自分で使うことはありません。高頻度でリゾート地を訪れるのでないのであれば、ハワイでも沖縄でも、ある程度高級なホテルに泊まったほうが安上がりです。
ホテルコンドミニアムを自分で使うという想定はしないほうがいいでしょう。
②オペレーティング費用はホテル運営会社次第
居住用不動産のオペレーティング費用や修繕費は自分で投資の判断ができるので、自身でのコントロールが可能です。
しかし、ホテルコンドミニアムの場合、ビッグブランドとされる運営会社が介入しているため、一方的にオペレーティング費用を定められてしまいます。売り上げが右肩上がりになるならば問題ないでしょうが、オーナーが費用をコントロールできないという点では注意が必要になります。
③稼働状況に関係なく発生する費用
共有部にかかる費用などが該当します。
パンデミックにより20%しか稼働しない状況下でも、ホテルが営業している限り共用部の費用はかかってきます。なので、場合によっては逆鞘になってしまうことが想定されます。
④商用物件は非常事態には弱い
パンデミックのほか、リーマンショックなどのリセッションが起こった場合にも稼働率はどんどん下がっていくでしょう。他の商用物件についても、非常事態に弱いことはやはり弱点となってしまいます。
⑤リセール時のキャピタルゲイン
リゾート地にはホテルコンドミニアムが乱立する傾向があります。同じブランドの運営会社で何件もホテルを持っているということは珍しくありません。
そうなれば当然、新しいホテルが建つようになり、購入したものが「古いホテル」としてどんどん価値が下がってしまいます。すると、リセール時にキャピタルゲインが出ることはなかなか無くなってしまいます。
まとめ
私の結論は、「買うのであれば、割り切って!」です。
既にふれたように、ホテルコンドミニアムは“羨望の対象”なのです。憧れや優越感を持つ、所有欲を満たす、といったニーズで購入されるのならば問題はないのですが、投資の対象としてみればパフォーマンスが高いわけではありません。
投資として購入するのではなく、「自分はホテルコンドミニアムを持っています!」と言いたい方、本当に頻繁にハワイを訪れる方など、利益を度外視した目的がある場合に割り切って購入するのがいいでしょう。
ただやはり、投資の対象としてとらえるのであれば手を付けないという選択をお勧めします。
※本記事は村上年範氏のYouTubeチャンネル『海外不動産のホントのトコロ』掲載動画を書き起こし、編集したものです。
村上 年範
クレディ・テック株式会社代表取締役
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