写真:PIXTA

経済成長著しく、投資家からの注目が高いフィリピン。今回は一般社団法人フィリピン・アセットコンサルティングのエグゼクティブディレクターの家村均氏が、首都マニラで進められている地下鉄計画を中心に、最新のフィリピン事情をレポートします。

フィリピン株式市場…課題解決への一歩

フィリピン証券取引所(PSE)は、市場の流動性を高めるために、すべての上場企業に最低25%の公的所有権を維持することを要求する提案を復活させる予定です。

 

フィリピン証券取引所指数(PSEi)は、30の最大かつ最も活発な普通株で構成されており、現地市場のバロメーターです。PSEiに含まれる要件は、フリーフロートレベル(流動性)が15%以上で、12か月のうち少なくとも9か月の1日あたりの取引額が上位25%に属することです。

 

PSEは12月の次のインデックスレビューでPSEiメンバー企業に最低20%のフリーフロートを導入する予定で、この動きは、San Miguel Corp.、AC Energy Corp.、Emperador Inc.を含むいくつかのPSEiメンバー企業に影響を与える可能性があります。

 

SanMiguelの公開フロートは15.98%、ACENとEmperadorはそれぞれ15.9%と15.01%です。他のすべての上場企業は、最低10パーセントの公的フロートを維持する必要があります。新規株式公開を計画している企業は、最低20パーセントの公募を行う必要があります。

 

東南アジア地域の他の取引所と比較して、PSEの市場流動性が低いことが課題となっています。

 

PSEの1日の平均取引高は約1億3,060万ドルで、マレーシアは5億7,300万ドル、インドネシアは8億8,640万ドル、ベトナムは10億ドル、シンガポールは10億ドル、タイは25億ドルです。

 

市場参加率もフィリピンは人口に比べて少なく、わずか1.4%です。PSEに上場している企業の数は、281社と少なく、シンガポールには668社、ベトナム756社; タイ781社; インドネシア785社、マレーシア952社です。PSEは、上場要件の緩和、株式市場教育プログラムの実施、新サービスの導入など、株式市場の流動性と地元民の参加を促進するプログラムを実施していく予定です。

※当記事は、情報提供を目的として、一般社団法人フィリピン・アセットコンサルティングが作成したものです。特定の株式の売買を推奨・勧誘するものではありません。
※当記事に基づいて取られた投資行動の結果については、一般社団法人フィリピン・アセットコンサルティング、幻冬舎グループは責任を負いません。
※当記事の比較するターゲット株価は、過去あるいは業界のバリュエーション、ディスカウントキャッシュフローなどを組み合わせてABキャピタル証券のプロアナリストが算出した株価を参考にしています。

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