フィリピン「マルコス新政権」経済回復の鍵となる注目セクター 写真:PIXTA

マルコス新政権の経済関連閣僚が続々と決まり、今後のフィリピンの行く末がみえてきました。一般社団法人フィリピン・アセットコンサルティングのエグゼクティブディレクターの家村均氏が解説します。

フィリピン新政権…財政健全化を目指す

マルコス新政権は、コロナによって財政赤字が膨れ上がったものの、インフラ投資などの経済を活性化させる政府支出は削減せず、経済活性化による税収増に真剣に取り組むべきだと現フィリピン中央銀行(BSP)総裁で次期財務大臣ベンジャミンE.ディオクノ氏は語っています。

 

ディオクノ氏は、2028年までに政府の財政赤字を国内総生産(GDP)の3%に引き下げる計画を断固実施すると述べました。

 

今年の財政赤字の上限は1.65兆ペソに設定されており、これはGDPの7.7%に相当します。これを2023年にはGDPの6%、2024年には5.1%、2025年には4.1%に設定しました。ドテルテ政権下での昨今の税制改革は、次の政権に十分な収入を生み出すことができると述べています。

 

また、財務省は以前、コロナウイルスのパンデミック中に発生した3.2兆ペソの追加債務を返済していくための新規借入を回避するために、政府は毎年2,490億ペソの税収増を実施する必要があるとしました。これを実現すると、パンデミック前のレベルである3.4%をわずかに下回り、2025年までに比率が3.2%に低下するとしています。フィリピンの債務残高は、4月末で過去最高の12.76兆ペソに達しています。

次期政権化で重視すべきは「インフラと鉱業」

フィリピン経済は2020年に9.6%縮小しましたが、2021年には5.7%成長に回復し、フィリピン政府は、2022年のGDP成長率7〜8%を目標としています。

 

マニュライフ生命の投資責任者は、次期マルコス政権にとって「インフラと鉱業」が重要であるとしています。また、フィリピン経済は2022年第1四半期に8.3%のGDP成長を記録した後、パンデミックからの回復軌道にあるとしています。

 

ビルド、ビルド、ビルドプログラムの継続から、インフラセクターは、次期政権でも優先事項であることから恩恵を受ける可能性が高いと見られています。

 

ドゥテルテ政権下では、ダバオ市バイパス建設や沿岸道路プロジェクトなどの大規模インフラプロジェクトが実施されたミンダナオ島が大きな恩恵を受けました。鉱業・マイニングは、焦点が当たっているもう1つのセクターです。マルコス次期大統領は、以前、フィリピンの地下資源を有効活用する鉱業が経済にもっと貢献するために、同セクターに関するより効果的な法整備や規制が必要だと述べています。

一般社団法人フィリピン・アセットコンサルティング エグゼクティブディレクター

慶応義塾大学経済学部卒業後、東急電鉄に入社し、海外事業部にて、米国・豪州・ニュージーランド・東南アジアなどで不動産開発や事業再構築業務に従事。また、経営企画部門にて東急グループの流通・メデイア部門の子会社・関連会社の経営・財務管理を実施した。(約15年)
その後は、コンサルティングファーム(アクセンチュア・ユニシス)や投資ファンド(三菱UFJキャピタル)などで、企業や自治体の事業再構築、事業民営化等の支援や国内外のM&A案件のアドバイザリーを実施。現在、一般社団法人フィリピン・アセットコンサルティングにて、日本他の投資家および企業、ファンドなどに対してフィリピン不動産の販売やフィリピンへの事業進出のアドバイスを行っている

著者紹介

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※当記事は、情報提供を目的として、一般社団法人フィリピン・アセットコンサルティングが作成したものです。特定の株式の売買を推奨・勧誘するものではありません。
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※当記事の比較するターゲット株価は、過去あるいは業界のバリュエーション、ディスカウントキャッシュフローなどを組み合わせてABキャピタル証券のプロアナリストが算出した株価を参考にしています。

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