(※写真はイメージです/PIXTA)

歯列矯正は「治療ゴールを明確にする」ことがとても重要です。抜くか抜かないか、あるいはどういう装置を使うかといった手段は、その後の話です。良い矯正歯科医はどのように選べばいいのでしょうか。歯科医師の成田信一氏が著書『自分で考え、やり抜く子の育て方』(プレジデント社)で解説します。

矯正治療をする前に知っておきたい大事なこと

それでは実際にわが子に適した矯正治療医を探すには、どうしたらよいのか、本稿では矯正を検討する場合に、留意すべきポイントについてまとめてみました。

 

■矯正歯科医を選ぶポイント

 

第一にお伝えしたいのは、日本矯正歯科学会の「認定医」に担当してもらうということです。非常勤の認定医の場合もあるので、常勤の認定医がいる医院がよいでしょう。常勤のドクターであれば、治療に責任を持ってもらえます。

 

それ以外の視点でドクターをどう選ぶかについては、本当に難しいと思います。矯正ではなくても、ほかの医科系についても同じく悩ましいところです。私自身が自分の子どもや自分自身が病気になった際にどう選んでいるかというと、やはりその道の専門医を選ぶようにしています。

 

といっても、一般の人にとっては、専門分野を究めているかどうかの判断をつけるのは難しいでしょう。ある程度は口コミも判断要素の一つとなるかもしれません。しかし、口コミはあまりアテにしないほうがよいと思います。

 

なぜなら、「何を評価しているか」、評価の観点が人によって異なるからです。医療のレベルを見ているわけではなく、「ちょっと待たされた」だけで低評価の場合もありますから、むやみに信用しないことです。

 

私が尊敬する矯正医の先生は、やはり常に勉強しています。一方で、自分の技術がずっと正しいと思っていて、何十年も同じ治療をしている矯正医もいます。医療の技術の進歩とともに、臨床も当然変わっていくべきだと思うので、そうしたことに取り組んでいる医師がよいと思います。

 

■抜歯をしない矯正治療は本当によいのか?

 

●歯を抜かない矯正
●ワイヤーをつけない矯正
●「歯列矯正は7~8歳までにやらなければダメ」という考え方

 

などなど、歯科の世界でもいろいろな考えがあります。たとえば、「歯列矯正は7~8歳までにやらなければダメ」という考えについては、私自身は、そのような根拠は何もないと考えます。

 

歯を抜かないで矯正する「非抜歯矯正治療」を提唱する矯正医もいます。確かに一定の割合で非抜歯のケースはありますが、治療方針として「非抜歯で矯正治療ができる」と掲げてしまうと、「全員、非抜歯で治療ができる」と、一般の人は思ってしまいかねません。

 

その医院のマーケティング戦略としてはアリなのかもしれませんが、宣伝にするにしては不誠実だと感じています。そうではなく、「どのくらいの割合で抜かないか」という話をしてくれる医院のほうが適切だと思っています。

 

ちなみに、国内における矯正治療の抜歯率については、複数の統計が存在しますが、だいたい60%前後くらいです。当院の場合も、6~7割は抜歯して治療をしています。

 

すなわち、抜いていない割合は3~4割ですが、もちろん、「抜かずに矯正治療ができます」という話は、誤解を与えるのでしていません。

 

次ページ「治療ゴール」を明確にすることが重要

※本連載は成田信一氏の著書『自分で考え、やり抜く子の育て方』(プレジデント社)の一部を抜粋し、再編集したものです。

自分で考え、やり抜く子の育て方

自分で考え、やり抜く子の育て方

成田 信一

プレジデント社

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