歯並びを治すのに「舌のトレーニング」をすることが重要なワケ (※写真はイメージです/PIXTA)

矯正治療では「患者さん本人が治す」というスタンスが非常に重要です。本人が「この歯並びを早く治したい」と切実に願っている場合は、予約時間にきちんと来院し、家でのトレーニングもしっかりやってきてくれるので、予定期間内に治療が終了します。
歯科医師の成田信一氏が著書『自分で考え、やり抜く子の育て方』(プレジデント社)で解説します。

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歯科医師と「仕上がりイメージ」を共有

■ドクターと患者さんが共有できるような具体的な目標設定を

 

「矯正治療ではゴール設定がしっかりしていることが非常に重要」とお伝えしましたが、では「ゴール設定がしっかりしている」とはどういうことかを説明します。

 

簡単にいえば、「最終的な仕上がりイメージ」が、ドクターと患者さんとで共有できているということです。矯正医が患者さんに「仕上がりイメージ」を伝える方法は、いくつかあります。

 

たとえば当院では、CT(Computed Tomography:コンピュータ断層診断)装置を使って、口内の「現状」を画像で再現し、そのCTを元にそこから3Dモデル(3DCADを用いて作成された立体的なモデルデータ)を作成して、「理想」(将来像)をシミュレートしていきます。

 

現在の口内の状態をCTで撮影した画像を見ながら、患者さんがイメージしやすいように画像を使って説明していくのです。

 

このように、本人の希望と、医師の見解(それができるのかどうかなど)をすり合わせていきます。そうはいっても、たとえば「あごを何センチも拡大することなどできません」と、できないことはできないとお伝えする場合も、もちろんあります。

 

そうしたことを明確にしつつ、患者さんの「こうありたいこと」と、矯正医としての「できること・できないこと」のバランスを取りながら、患者さんとドクターとですり合わせていきます。ですから、繰り返しになりますが、「絶対抜く」とか「絶対抜かない」ということは、最初から決めるわけにはいかないのです。「やはり、この仕上がりにするのなら抜かないと難しい」ということも、当然出てきます。

 

当院で使用しているのは、パソコン上でCTのデータを送ると3Dモデルが作成でき、さらにその歯を動かしてシミュレートすることができる、非常に使い勝手がよいものです。3Dモデルであれば、その場で元の状態と理想とをすぐ比較できるほか、元の状態を重ねて見ることもできるので、「こうすると、これだけ口元が下がる」といったことが一目でわかります。治療の限界がわかるので、その中で、より本人の希望に沿ったものにしていくことができます。

 

この3Dモデルは、当院では、2014年から使い始めましたが、まだあまり普及していません。

 

この方法以外にも、セットアップモデルという石こう模型を使って、歯の並びをシミュレーションする方法もあります。シリコンやアルジネート(水溶性のアルギン酸塩と石こうを反応させて、不溶性のアルギン酸カルシウムとして硬化させたもの)などの印象材を使って歯型を取ったうえで、そこに石こうを流して、模型をつくります。

 

その模型を使って、正しい歯並びとなるよう再配列した模型をつくって、それをゴールとして患者さんにお見せします。

 

矯正治療のゴールは、具体的にドクターと患者さんが共有できるように設定するのが大事だと思います。

 

たとえば、内科にかかった時に血液検査をすると、さまざまなデータが結果として出てきますよね。その中で下げたい数値があった時、「この数値を△△以内まで下げましょう。それにはこの薬を使います」となりますよね。そうしたことと同様に、ゴール設定は数字やビジュアルでわかるようにすべきだと思います。

 

もう一つ、いざ矯正治療をスタートする時に大事なことは、何度もお伝えしていますが、自分と近い症例を見せてもらうことです。たとえば、「口元を何ミリか下げたらこんな感じになりますよ」というように、美容院のヘアスタイルカタログではないですが、過去の例を見せてもらえれば、ゴール設定が比較的しやすくなります。

 

自由が丘矯正歯科クリニック院長
歯学博士

1965年神奈川県生まれ。神奈川県立湘南高等学校卒業、東京医科歯科大学歯学部卒業、歯科医師免許取得、東京医科歯科大学歯学部歯科矯正学第1講座入局。同大学大学院博士過程修了、東京医科歯科大学歯学部付属病院第1矯正科勤務。
1999年、東京・自由が丘に自由が丘矯正歯科クリニックを開設し院長に就任。「矯正治療は時間がかかる」という固定観念を根底から見直し、治療期間の短縮と痛みの軽減を追求したJETsystemを構築し、年々改良を重ねている。
クリニック経営と並行して、JETsystemの普及を目指し、JETsystemの研究会を主宰。日本矯正歯科学会正会員、アメリカ矯正歯科学会国際会員、東京矯正歯科学会正会員、顎変形症学会正会員。2005年以降、日本矯正歯科学会大会、東京矯正歯科学会大会などで、矯正治療システムや症例発表を積極的に行う。
3児の父として、自身の子どもを含め、日本の子どもたちが世界と対等に戦うことができる力を身につけてほしいと願い、子どもの人間性を育て、自立を促していくべく日々、情報を収集している。

著者紹介

連載「自分の力で生きていける力」を身につける方法

※本連載は成田信一氏の著書『自分で考え、やり抜く子の育て方』(プレジデント社)の一部を抜粋し、再編集したものです。

自分で考え、やり抜く子の育て方

自分で考え、やり抜く子の育て方

成田 信一

プレジデント社

今、日本も世界も激動の時代の真っ只中にあります。2020年以降、新型コロナウイルスの影響でどの国も鎖国に近い状態が続きましたが、落ち着きを取り戻す頃には、グローバル化の波がこれまで以上に強くやってくることになると予…

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