写真:PIXTA

マルコス新政権の経済関連閣僚が続々と決まるなか、これからのフィリピンの経済政策の概要が徐々に見えてきました。一般社団法人フィリピン・アセットコンサルティングのエグゼクティブディレクターの家村均氏が解説します。

ロジスティックスの改善と交通インフラ整備に重点

退任するドゥテルテ大統領は、国の補助金や債務保証などの条項があったため、アキノ政権が好んだPPPを避けていました。コロナによる財政出動で、政府資金がタイトになっているなか、関係各省庁と調整しながら、ビルド、ビルド、ビルドプログラムを継続する方針を示しました。

 

マルコス新大統領の重点分野は、食糧生産と観光、そして交通渋滞への対処。つまり商品やサービスのコストに大きく影響するロジスティックスの改善・交通インフラのさらなる整備です。同時に、新大臣は汚職に対処し、プロジェクトの質を確保し、国のリソースを慎重に使用することを強調しました。

 

公共事業道路省(DPWH)次期大臣となるサンミゲル・トールウェイズ社社長兼最高経営責任者マヌエル・M・ボノアン氏によると、今後のマルコス政権は、影響力の大きいプロジェクトに焦点を当てた官民パートナーシップ(PPP)を通じて、インフラストラクチャ開発へ国内外の投資家を誘致することを強化します。

 

ボノアン氏は、マルコス大統領から、経済回復を加速するために、未完成のインフラプロジェクトをできるだけ早く完了するよう指示があったと述べています。現政権では、119の旗艦インフラプロジェクトのうち12を完了しました。そのうち7つは、2020年に完了し、これには180億ペソのニュークラークシティ開発フェーズ1と149.7億ペソのクラーク国際空港拡張プロジェクトが含まれ、2021年には219.7億ペソのMRT3リハビリプロジェクトほか5つのプロジェクトが完了しました。

 

同省は、6月30日までにさらに7つの大きなプロジェクトが完了し、12月までにさらに12のプロジェクトが完了すると見込んでいます。これには、452.9億ペソの南東メトロマニラ高速道路プロジェクトと750億ペソのサンミゲル社が主導するMRT-7が含まれます。

 

情報通信技術局(DICT)の責任者としてマルコス氏に指名されたIvan John E. Uyは、新政権において、デジタル化とネット接続性の向上が最優先課題だと述べました。

 

現在検討しているソリューションの1つは、Elon Musk氏のStarlinkプロジェクトです。これにより、高価な光ファイバーケーブルを敷設することなく、高速ネット接続が可能になります。Uy氏は、2011年から2016年までのフィリピンのデジタル戦略策定を主導しました。また、ベニグノ・アキノ前大統領時には、情報通信技術委員会の委員長を務めた人物です。

 

新貿易産業(DTI)大臣アルフレドE.パスクアル氏は、経済の デジタル変革を促進することに焦点を当てると述べ、外国直接投資(FDI)をテクノロジー産業、特にデータセンターに引き付けることを目指すと述べています。これには、光ファイバーケーブルの全国への早期展開も含まれます。

 

また、デジタル化による小売セクターの改革、つまり商品の希望小売価格(SRP)に関する情報を提供することによって、消費者の知識の欠如を利用する小売業者や売り手がいないようにするとも述べています。

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※当記事は、情報提供を目的として、一般社団法人フィリピン・アセットコンサルティングが作成したものです。特定の株式の売買を推奨・勧誘するものではありません。
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※当記事の比較するターゲット株価は、過去あるいは業界のバリュエーション、ディスカウントキャッシュフローなどを組み合わせてABキャピタル証券のプロアナリストが算出した株価を参考にしています。

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