(※写真はイメージです/PIXTA)

暗号資産に対してネガティブな印象を抱く方は少なくないかもしれません。しかし今、暗号資産は世界中で強い信頼性と価値を保つことが可能なものとして認識され始めています。今後、有力な投資商品の一つになる可能性が高まっており、学んでおいて損はないでしょう。1級FP技能士・笹田潔氏が、暗号資産の基礎知識をゼロから解説します。

暗号資産を入手するには?

平成29年4月1日から「暗号資産」に関する新しい制度が開始され、国内で暗号資産と法定通貨との交換サービスを業として行うには、暗号資産交換業の登録が必要となりました。暗号資産の購入は、金融庁に登録した取引交換所で購入することが必要です。購入する方法は、主に「販売所方式」と「取引所方式」の2種類に分けられます。

 

販売所方式とは、海外のお金を日本円に両替するときと同じような仕組みで購入する方式です。購入者は、一定の手数料を支払って希望の暗号資産を自由に購入できます。

 

取引所方式とは、暗号資産を売りたい人と買いたい人がマッチングされることで購入に至る方式です。販売所と比較すると手数料が安いことがメリットです。しかし、希望する価格で売ってくれる人が見つからなければ取引が不成立となり、すぐに購入できないデメリットもあります。

 

暗号資産を入手する方法に「OTC」と言われる方法もあります。一般的にOTC取引とは、もともとは証券取引の世界で使われていた言葉です。通常、株式などの有価証券は取引市場で売買されますが、それとは別に、証券会社が手持ちの債券などを大口投資家と直接売買することがあります。市場を通さず、証券会社の窓口カウンター越しに行われる取引ということから「Over The Counter」、略してOTC取引と呼ばれるわけです。

 

暗号資産におけるOTCは、暗号資産交換業者が提供する「大口取引のお客様を対象とした大口OTC取引サービス」と「取引所や市場を通さず、個人や企業が直接暗号資産の売買を行うこと」の二つを示す言葉にもなっています。

 

「取引所や市場を通さず、個人や企業が直接暗号資産の売買を行う」場合は、持っているビットコイン(BTC)を適価で「知り合い」に売る、あるいは「知り合い」が保有しているイーサリアム(ETH)と交換するというケースが、OTC取引に当たります。

暗号資産を保有・管理・換金するには?

暗号資産は、紙幣のような物理的な実体を持たないデジタルデータですから、必ずどこかに「記録」されていなければなりません。暗号資産を保管=記録しておく場所や仕組みのことを「ウォレット*」と呼びます(*「財布」の意味)。つまり、私たちの持っている暗号資産は、取引所が使っているウォレットに保管=記録されているのです。

 

そして、これまで取引所でのウォレットの管理(セキュリティ対策)に問題があったために、古くはマウントゴックス事件から、最近ではコインチェック事件まで、多額の不正流出事件が何度か起きています。取引所がハッキングされ、多額の資金が奪われてしまう事件は、世界中で何度も起きています。

 

暗号資産は取引交換所を介して、法定通貨にいつでも換金することが可能です。しかしながら、暗号資産を入手することと同様に一定の手数料がかかります。

 

また、海外には暗号資産のATMも存在し、取引交換所を使って取引を行うのと同じように、ATMを使って暗号資産(仮想通貨)を購入、または売却することも可能です。過去には国内でも東京を中心に暗号資産(仮想通貨)ATMが設置されていた時期がありましたが、現在、国内に暗号資産(仮想通貨)ATMは存在しません。

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