(写真はイメージです/PIXTA)

5月終盤以降、EUによるロシア原油禁輸の合意、OPECプラスによる増産幅拡大など原油市場を巡る大きな動きが相次いでいます。今後の原油相場は? ニッセイ基礎研究所の上野剛志氏が解説します。

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    3. 金融市場(5月)の振り返りと予測表

    10年国債利回り

    5月の動き:月初0.2%台前半でスタートし、月末も0.2%台前半に。

     

    月初、米経済指標を受けたインフレ懸念やFOMCを控えた利上げ加速観測から米金利が上昇。その余波を受けて9日には0.25%の節目に接近したが、日銀による指し値オペ毎営業日実施で抑制され、以降0.25%を若干下回る水準での膠着した推移が継続。月半ば以降は米利上げによる先々の米景気減速が警戒され、米金利が低下したことで金利上昇圧力がやや和らぎ、25日には0.2%に接近。

     

    月終盤は投資家のリスク回避姿勢がやや和らぎ、米金利低下が一服。さらにインフレ懸念による独金利上昇が金利上昇圧力になり、月末は0.2%台半ばへとやや水準を切り上げた。

     

    【図表9】日米長期金利の推移(直近1年間)/日本国債イールドカーブの変化/日経平均株価の推移(直近1年間)/主要国株価の騰落率(5月)

     

    ドル円レート

    5月の動き:月初130円台前半でスタートし、月末は128円台前半に。

     

    月初、インフレ・利上げ加速観測に伴う米金利上昇を背景にドルが買われ、9日には130円台後半に上昇(一時131円台に)。その後は持ち高調整や米金利上昇一服に伴うドル売りが入り、13日には128円台後半に下落。しばらく横ばい圏での推移を挟んだ後、利上げ等に伴う米景気減速懸念が台頭し、20日には127円台後半に。さらに25日には127円へと下落した。一方、月末には上海の都市封鎖解除方針などからリスク回避がやや緩和したほか、FRB高官が積極的な利上げ継続方針を示したことで米金利が上昇し、128円台前半に持ち直した。

     

    【図表10】ドル円レートの推移(直近1年間)/ユーロドルレートの推移(直近1年間)

    ユーロドルレート

    5月の動き:月初1.05ドル台前半でスタートし、月末は1.07ドル台前半に。

     

    月初、1.05ドル台での一進一退の展開となった後、世界的な株安に伴うリスクオフのユーロ売りドル買いが入ったほか、ウクライナ侵攻に伴うユーロ圏景気の減速懸念の高まりを受けて、12日には1.04ドル台前半に。翌13日には1.03ドル台を付けた。

     

    一方、その後は米景気減速懸念の高まりや、議事要旨等を受けたECBの利上げ観測によってユーロが持ち直し、17日には1.05ドル台を回復。さらにECBのラガルド総裁がブログで7月利上げの可能性を示唆したことでユーロが上昇し、24日には1.07ドル台に達した。その後もECBの早期利上げ観測がユーロの支えとなり、月末は1.07ドル台前半で終了した。

     

    【図表11】金利・為替予測表(2022年6月3日現在)

     

    上野 剛志

    ニッセイ基礎研究所

     

     

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    ※本記事記載のデータは各種の情報源からニッセイ基礎研究所が入手・加工したものであり、その正確性と安全性を保証するものではありません。また、本記事は情報提供が目的であり、記載の意見や予測は、いかなる契約の締結や解約を勧誘するものではありません。
    ※本記事は、ニッセイ基礎研究所が2022年6月3日に公開したレポートを転載したものです。

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