「米国株」のバリュエーション…いま割安・割高な業種はどこか (※写真はイメージです/PIXTA)

本記事は、フィデリティ投信株式会社が提供するマーケット情報『マーケットを語らず』から転載したものです。※いかなる目的であれ、当資料の一部又は全部の無断での使用・複製は固くお断りいたします。

誰にも予想が付かないインフレの未来

5月23日の週は、①インフレ率の鈍化と、②米連邦公開市場委員会(FOMC)の議事要旨に、A「0.75%」の利上げへの言及がなく、B「多くの参加者は、金融緩和の解除を早めることによって、今年終盤には、委員会が、引き締めの効果と、あとどの程度の政策調整が必要になるかを評価するのによい状況に立てる、と判断した」との文言が「今年後半の利上げ見送りの可能性も含むものである」との見方につながったこともあり、金利が低下し、幅広い資産が上昇しました。


筆者は、「インフレは、今後数ヵ月についても、今後数年についても、誰にもわからない」と考えており、インデックスや成長株式への「投資再開」というよりも、①割安かつ、②業績が伸びそうで、③インフレにも耐性があるセクターを中心に保有を増やすほうが安心と考えています。

2つの物価指数を見ると「インフレはまだわからない」

図表1のとおり、CPIとPCE価格指数の2つのインフレ率(食品とエネルギーを除く)を「前年同月比」で見ると、ここもとインフレ率は鈍化していることがわかります。

 

(前年比で見た)米国のインフレ率が鈍化し、株価の下支え材料に。 出所:米労働統計局(BLS)、米経済分析局(BEA)、Refenitiv、フィデリティインスティテュート 注:データ期間:2014年1月~2022年4月、月次
[図表1]米国の物価指数(食品、エネルギーを除く。前年同月比) (前年比で見た)米国のインフレ率が鈍化し、株価の下支え材料に。
出所:米労働統計局(BLS)、米経済分析局(BEA)、Refenitiv、フィデリティインスティテュート
注:データ期間:2014年1月~2022年4月、月次

 

しかし、図表2のとおり、2つのインフレ率を「前月比」で見ると、まだ鈍化は確認できません。足元の物価上昇の「勢い」(モメンタム)を見るならば、「前月比」が、より適切な指標と考えられます。

 

前月比で見れば、インフレは鈍化したかどうかは、まだわからず→引き締めは続く可能性 出所:
[図表2]米国の物価指数(食品とエネルギーを除く。前月比) 前月比で見れば、インフレは鈍化したかどうかは、まだわからず→引き締めは続く可能性
出所:米労働統計局(BLS)、米経済分析局(BEA)、Refenitiv、フィデリティインスティテュート
注:データ期間:2019年1月~2022年4月、月次

 

その「前月比」もたとえば、年後半には鈍化していくかもしれませんが、図表3に示すとおり、1970年代のインフレ率は、2度鈍化をしながら、「尻上がり」にインフレ率が上昇しています。

 

最近のインフレ率を、2パターンで当時に重ねてみたものが、オレンジと水色のラインです。このとおりに行くかどうかはわかりませんが、これは「反例」であり、少なくとも「インフレ鈍化派の主張をうのみにすべきではない」といえるでしょう。

 

AI
[図表3]米国のPCE価格指数(食品とエネルギーを除く。前年同月比)歴史が韻を踏むなら、いまは、1967年か、1975年か。インフレは鈍化したとしても、再び上昇する可能性も排除できない。
 
出所:米経済分析局(BEA)、Refenitiv、フィデリティインスティテュート
注:データ期間:1960年1月~2022年4月、月次。線形変換は「1967-1975年に移植するインフレ率」=1+1.8(2014-2022年のインフレ率)

 

では、不確実性の高い経済情勢の下、どのセクターに投資をするのがよいでしょうか。基本的なデータに基づいて考えてみましょう。

 

フィデリティ投信株式会社
マクロストラテジスト

大阪大学大学院経済学研究科博士前期課程修了後、農林中央金庫にて、外国証券・外国為替・デリバティブ等の会計・決済業務および外国債券・デリバティブ等の投資・運用業務に従事。

その後、野村アセットマネジメントの東京・シンガポール両拠点において、グローバル債券の運用およびプロダクトマネジメントに従事。

アール・ビー・エス証券にて外国債券ストラテジストを務めた後、2013年にJ.P.モルガン・アセット・マネジメントに入社、2019年同社マネージング・ディレクターに就任。ストラテジストとして、個人投資家や販売会社、機関投資家向けに経済や金融市場の情報提供を担う。2020年8月、フィデリティ投信入社。

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連載フィデリティ投信のマクロストラテジストによる「マーケット情報」

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