(※写真はイメージです/PIXTA)

社内承継でも後継者は社長に就任すると同時に、株式も取得して経営と所有の一致を図るのが一般的です。しかし、資金不足などが理由で株式の取得がどうしても難しい場合は、どう対処すべきでしょうか。株式会社M&Aナビ社長の瀧田雄介氏が著書『中小企業向け 会社を守る事業承継』(アルク)で解説します。

後継者が株式を引き継げない場合は?

親族内承継と同じく、社内承継でも後継者は社長に就任すると同時に、株式も取得して経営と所有の一致を図るのが一般的です。承継後に円滑な経営を実現するためには株式を集約し、経営者自身の意思決定を通しやすい環境を整えておくべきでしょう。

 

■経営権のみを承継して次期社長の負担を軽減

 

ところが、資金不足などが理由で株式の取得がどうしても難しい場合は、経営権は後継者に承継しますが、株式は先代経営者やその親族が持ち続けるというパターンも選択の余地があります。

 

この場合は後継者の資金力は問われることがなく、金融機関から借入を起こす必要もありません。心理的・金銭的な負担を抑えることができます。将来的に株式も承継するのであれば、承継後に計画を立てて進めていけばよいでしょう。

 

ただしこの場合、社長とは別に大株主が存在するので、先代経営者はどこまで経営に携わるのかなど、線引きを明確にしておく必要がありそうです。会長職や相談役に就いて経営をサポートすることも考えられますが、院政のような状況になると事業承継を行った意味が薄れるので、後継者に配慮しないといけません。

 

とりわけ、創業社長はリーダーシップに優れ、よくも悪くもワンマンな傾向があります。会社を成長させてきた自負もあることでしょう。ところが、ワンマン社長のもとで育った次期社長も同じようなタイプとは限らず、自身が頼りにできる経営人材を育成してチーム体制で事業を推進させるなど、過去のマネジメントスタイルを刷新する可能性もあります。

 

新たな経営の在り方を尊重できるよう、先代経営者には忍耐力が求められます。

 

■従業員持株会を活用して株式取得の負担を軽減

 

従業員持株会を活用すれば相続する株式数を減らすことができ、相続税負担も抑えられると述べましたが、これは社内承継においても有効な手段です。

 

従業員持株会が一定数の株式を保有していると後継者が取得する株式は減少し、買い取り原資を削減することができます。さまざまな手法を駆使することで、社内承継に伴う資金負担を軽くすることは可能です。

 

瀧田雄介著『中小企業向け 会社を守る事業承継』(アルク)より。
瀧田雄介著『中小企業向け 会社を守る事業承継』(アルク)より。

 

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    ※本連載は、瀧田雄介氏の著書『中小企業向け 会社を守る事業承継』(アルク)より一部を抜粋・再編集したものです。

    中小企業向け 会社を守る事業承継

    中小企業向け 会社を守る事業承継

    瀧田 雄介

    アルク

    後継者がいなくても大丈夫!大事に育ててきた会社を100年先へつなぐ、これからの時代の「事業承継」を明らかにします。 日本経済を支える全国の中小企業は約419万社。そして今、その経営者の高齢化が心配されています。2025年…

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