「重要事項調査報告書」で不良物件を掴まない
利回りだけで物件を選んで失敗することがあるように、不動産には目に見えない情報がたくさんあります。もし、あなたがネット上の収益物件サイトで利回りを検索条件にして物件を選んでいるようであれば気をつけてください。
それが中古のマンションであればなおさらです。過去の修繕の履歴、将来実施する修繕計画、修繕積立金の積み立て状況、マンションオーナーの管理費や積立金の滞納状況など、さまざまです。実際に、築20年近くたつのに、一度も大規模修繕が行われていない物件や何百万円も管理費の滞納があるマンションなどがネット上では販売されています。
■不良物件をつかまないコツ
こうした不良物件をつかまないようにするには、「重要事項調査報告書」を確認することです。
「重要事項調査報告書」は建物管理会社が発行するマンションの管理状況に関する重要なポイントをまとめた書面です。書面には、修繕積立金の積立て状況や過去の修繕履歴、管理費の滞納状況などが端的にまとめられています。
これ1枚があれば、ほぼマンションの管理状況がどうなっているかがわかります。この書類は建物管理会社に依頼すれば取得することができますが、通常は購入を検討している不動産会社を通じて取得します。
こちらからなにもいわなければ、もらえないケースもあるので、マンションを購入する前には必ず手に入れて現況を確認しておきましょう。
なお、重要事項調査報告書でも最新の管理状況については書かれていないことがあり、絶対ではありません。不動産会社を通じて、現在の管理状況がどうなっているのか、入居者はどんな人が入っているのかも含めて確認しておきましょう。
はじめての投資用物件は「売主」から買う
では、こうした中古ワンルームに興味を持った場合、どのように購入すればよいのでしょうか。不動産会社を通じて購入するには「仲介」と「売主」の2つがあります。
仲介のケースでは、不動産会社は買主と売主の間に立ち、契約が成立するよう仲立ちをします。そして、契約が成立した際には、不動産会社に手数料を支払う必要があります。
■仲介手数料の計算式
仲介手数料がどのように計算されるかを示しておきましょう。これは次のように法律で決まっています。
400万円超の物件:不動産価格×3%+6万円
200万円超から400万円以下の物件:不動産価格×4%+2万円
200万円以下の物件:不動産価格×5%
いずれも消費税が加算されます。2000万円の物件を購入した場合、2000万円×3%+6万円に消費税が加算され72万6000円になります。
一方不動産会社から物件を購入する場合、契約の相手方は不動産会社自身です。不動産会社自身が売主ですので、仲介手数料は一切かかりません。
両者は仲介手数料の有無だけではなく、物件の欠陥、すなわち瑕疵担保責任の範囲に関しても違いがあります。