(※写真はイメージです/PIXTA)

コロナ禍で、多くの人が生活の不安を感じたことでしょう。この不安を払拭するためには、投資でお金を増やそうと考える前に、もし住宅ローンが残っているなら、投資などには使わずに、住宅ローンの「繰上げ返済」をしましょう。経済ジャーナリストの荻原博子氏が著書『知らないとヤバい老後のお金戦略50』(祥伝社)で解説します。

借金を減らせば確実に資産が増える

■「借金返済」は最高の投資

 

「投資」をする前に、考えなくてはいけないことがあります。それは、住宅ローンなどの「借金」がないかということ。

 

コロナ禍で、多くの人が生活の不安を感じたことでしょう。この不安を払拭するためには、投資でお金を増やそうと考える前に、住宅ローンなどの借金を減らすことを考えるべきです。

 

じつは、借金を減らすことは、投資よりも確実に資産を増やし、老後の安心につながります。

 

今、多くの人が、住宅ローンを35年で組んでいます。しかも、2021年には、融資期間40年という住宅ローンも出てきました。

 

35年返済の場合、35歳で借りれば返済が終わるのは70歳。40年返済なら、75歳になります。

 

現在、年金支給年齢は65歳からですから、年金生活の中で住宅ローンを払っていくことになりますが、夫婦2人で20万円程度の年金の中から10万円の住宅ローンを払ってしまっては、生活できません。

 

ですから、多くの方は、退職金で住宅ローンの残債を返すということになるのでしょうが、そうなると老後に使える退職金が減ってしまって老後が不安になります。

 

ですから、住宅ローンは、少なくとも年金生活になる前に払い終えておかなくてはなりません。

 

そのためには、「繰上げ返済」で、残りのローンの期間を短縮しておきましょう。

 

■「繰上げ返済」は資産を確実に増やせる手段

 

今、100万円の余裕があったら、あなたは何に使いますか?

 

もし住宅ローンが残っているなら、投資などには使わずに、住宅ローンの「繰上げ返済」をしましょう。

 

たとえば、10年前に、金利1.5%、35年返済で3000万円を借りた人が、今、100万円を繰上げ返済に回すとします。

 

そうすると、約44万円の利息を支払わなくてもよくなります。

 

住宅ローンの繰上げ返済には、期間を短縮する方法と返済額を減らす方法がありますが、約44万円の利息を支払わなくてよくなるのは、期間を短縮した場合です。期間にすると、住宅ローンの返済が、予定よりも1年3ヵ月早く終わります。

 

今、100万円支払って、確実に44万円も儲かる投資などありません。

 

ところが、住宅ローンの繰上げ返済なら、このケースでは100万円払うと144万円の返済するべきローンが消えるのです。

 

もし同じ条件で5年前に借りた人なら、約55万円の利息を支払わなくてもよくなり、短縮期間は1年4ヵ月早まるので、投資より確実に資産が増えます。
 

 

荻原 博子
経済ジャーナリスト

 

 

 

 

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本連載は荻原博子氏の著書『知らないとヤバい老後のお金戦略50』(祥伝社)より一部を抜粋し、再編集したものです。

知らないとヤバい老後のお金戦略50

知らないとヤバい老後のお金戦略50

荻原 博子

祥伝社

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