「向かい風だから離陸できる」byヘンリー・フォード
図表2のグラフは、世界の旅客便の運航便数の推移を示したものです。新型コロナウイルス感染症パンデミック発生当初は、機内感染のリスクを懸念して、航空機利用者数の回復には時間を要するのではないかと見られていましたが、新型コロナウイルスの感染が拡大し始めた2020年の4月以降、運航便数は順調に回復してきたようです(図表2)。
新型コロナウイルス感染症パンデミックの中では、バカンスに出かけるにあたり、密を避けた移動手段として、キャンピングカーが重宝されました。それでは、航空機のレジャー需要はどうなっているのか、年間8,940万人(2018年)の観光客を集める世界一の観光大国フランスのデータを使って探ってみたいと思います。
図表3のグラフは、フランスの玄関口であるパリ首都圏(Île-de-France)にあるシャルル・ド・ゴール空港とオルリー空港の月別旅客数の合計を表したものです。季節要因での上げ下げはあるものの旅客数は回復途上にあります。どうやら、空路を利用するバカンシエ(休暇をとる人)も戻ってきているようです。5月に入り、夏季バカンスシーズンに向けて、航空券の予約が好調であるというニュースをよく耳にするようになりました。この夏、さらなる飛躍が期待できそうです。
余談になりますが、パリ首都圏(Île-de-France)には、シャルル・ド・ゴール空港、オルリー空港のほか、もう一つル・ブルジェ空港があります。かつて『翼よ!あれが巴里の灯だ』という映画がありました。随分前の映画なので観た方は少ないかもしれませんが、タイトルに馴染みのある方は多いのではないでしょうか。米国の飛行家チャールズ・リンドバーグの大西洋無着陸横断飛行を描いた映画です。彼が降り立ったのがこのル・ブルジェ空港です。1914年に開港し、長い間、一般の商用空港として利用されてきたのですが、今ではビジネスジェット専用の空港となっています。新型コロナウイルス感染症パンデミックの影響で、風前の灯に見えた航空業界ですが、翼は再び世界の灯を見始めました。
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