(※画像はイメージです/PIXTA)

日々、日本の高齢化社会に対する警鐘が鳴らされていますが、実際に日本の高齢者の人口はどのように推移しているのでしょうか。また、高齢者の人口増加と密接に関わる平均寿命の世界ランキングと照らし合わせて、日本と世界の高齢化社会を紐解きます。

【最新版】「世界平均寿命ランキング」で日本が首位に

これまで日本の人口減少、高齢化率の上昇に関するデータをお伝えしてきましたが、世界に目を向けてみるとどうでしょうか。

 

高齢化社会の最大の要因といえる平均寿命の上昇について確認しましょう。WHO(世界保健機関)は2021年の報告書にて、2019年時点の世界各国の「平均寿命」を発表しています。次のランキングをご覧ください。

 

第1位 日本 84.3歳

第2位 スイス 83.4歳

第3位 大韓民国 83.3歳

第4位 シンガポール 83.2歳

 

第4位のシンガポールから第2位のスイスまで、「平均寿命」が0.1歳づつ伸びているのに対して、第1位の日本は第2位のスイスに0.9歳差をつけていることからも、日本は世界的に見て、圧倒的な長寿国であることが分かります。

 

一方で、有識者による推計では、近い将来その他の平均寿命上位国に日本は首位を奪われるだろうとも言われています。

「健康寿命」も長いシンガポール

各国の「平均寿命」が長い要因についても、見ていきましょう。第4位のシンガポールは「平均寿命」だけでなく、WHO(世界保健機関)が2000年以降提唱している「健康寿命」も長いことが特徴です。

 

「健康寿命」とは「健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間」と定義されており、「平均寿命」と「健康寿命」との差は、日常生活に制限のある「健康ではない期間」となります。

 

2019年において、シンガポールの「平均健康寿命」は73.6歳、「平均寿命」との差は9.6歳です。日本の「平均健康寿命」は74.1歳、「平均寿命」との差は10.2歳です。「健康ではない期間」で比べると、日本よりも短いことが分かります。

 

ではなぜ? シンガポールは世界的に見て「平均寿命」が長いのでしょうか。2014年に社会保障・医療保障制度が改正されたことが大きな要因の一つとして挙げられます。

 

国民の給与の一部が、自動的に本人の年金や医療費として差し押さえられることで、自身の老後や健康に対して主体的な意識や計画性が構築されることを期待しようという仕組みです。

 

日本の、所得税などにおける源泉徴収システムと似ているようでもありますが、使途が明瞭であるかどうかに大きな差異があります。誰に何のために使用されるか分からない天引きと、自分で使用するための積立という形の天引きでは、支払う側の意識に大きな影響を及ぼします。

第3位の韓国と、第2位のスイスの共通点は発酵食品

第3位の韓国は幼児期の食育や予防医学に力を入れており、「世界で最も肥満と高血圧が少ない国」と言われています。

 

第2位のスイスは、近年は水面下での所得格差も指摘されていますが、他の欧州諸国と比較すると平均給与が高いことが一因であるといえます。

 

さらに、両国ともに腸内環境を整える「発酵食品」を毎日口にする習慣があるという、大きな共通点があります。スイスはチーズ、韓国はキムチです。

 

また、スイスに関しては、お昼にボリュームのある満足度の高い食事をし、夕飯はハムやチーズなどで済ませるという、ドイツなどにも見られる食文化も要因の1つとして挙げられます。身体への負担が軽減される食事サイクルが、健康の礎を築いているのでは? と近年は指摘されています。

 

このように、食文化、社会保障制度など様々な要因が国民の平均寿命に影響を与えていることが分かります。

 

人生100年時代と叫ばれて久しく、今後も医療技術の発達とともに「平均寿命」「高齢化率」が上昇しつづけていくであろう見通しは、日本だけでなく世界も同じです。長生きをすることが本人にとっても、社会にとっても幸せであるという価値観が根付いている未来が、やってくることを願ってやみません。

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