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「隠れ認知症」を早期発見する2つの指標
医療機関では問診により、認知機能障害、生活障害、行動障害のそれぞれについて専門の尺度に基づき診断します。広く知られているものに、DBD(図表1)やDASC(図表2)などがあり、当院もそれらを用いています。
ただしそれらを行うにも当然ながら受診が前提です。受診を促すには、家族が普段の本人の言動から、認知症に気づいたり疑いをもったりすることが必須です。
では、そのきっかけはといえば、生活のなかで何かしら不都合が生じるようになったからでしょう。これを「歳のせい」「ただのもの忘れ」と見過ごすと、受診が遅れ早期発見ができなくなってしまいます。
医療機関が診断で使用する尺度をもとに、特に早期のうちに現れやすい生活障害および行動障害を示します。これらが現れたら早く医療機関を受診することが望まれます。
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<生活障害>
Q1. 5分前に聞いた話を思い出せないことがありますか
a. まったくない b. ときどきある c. 頻繁にある d. いつもそうだ
Q2. 今日が何月何日かわからなくなることがありますか
a. まったくない b. ときどきある c. 頻繁にある d. いつもそうだ
Q3. 一人で買い物はできますか
a. 問題ない b. だいたいできる c. あまりできない d. まったくできない
Q4. 自分で、薬を決まった時間に決まった分量のむことはできますか
a. 問題ない b. だいたいできる c. あまりできない d. まったくできない
⇒cまたはdが1項目でもついたら認知症の疑いあり
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<行動障害>
Q1. 同じことを何度も何度も聞く
Q2. よく物をなくしたり、置き場所を間違えたり、隠したりしている
Q3. 日常的な物事に関心を示さない
Q4. 昼間、寝てばかりいる
上記4項目はいずれも…
a. まったくない b. ほとんどない c. ときどきある d. 常にある
⇒a以外が1つでもあれば認知症の疑いあり
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