「家族が病院に行けと言うので、来ました」は要注意…「認知症」が疑われるサイン【専門医が解説】 (※写真はイメージです/PIXTA)

認知症は進行性の疾患であり、発症すれば一生付き合っていかなくてはいけません。ただし、診断や治療の開始が早期であればあるほど、症状の進行はゆるやかになることが分かっています。初期のうちに介入すれば、そうでなかった場合と比べ、心理機能・運動機能ともに改善することもあるのです。早期発見のために知っておきたい認知症のサインについて見ていきましょう。認知症の専門医・旭俊臣医師が解説します。

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「隠れ認知症」を早期発見する2つの指標

医療機関では問診により、認知機能障害、生活障害、行動障害のそれぞれについて専門の尺度に基づき診断します。広く知られているものに、DBD(図表1)やDASC(図表2)などがあり、当院もそれらを用いています。

 

ただしそれらを行うにも当然ながら受診が前提です。受診を促すには、家族が普段の本人の言動から、認知症に気づいたり疑いをもったりすることが必須です。

 

では、そのきっかけはといえば、生活のなかで何かしら不都合が生じるようになったからでしょう。これを「歳のせい」「ただのもの忘れ」と見過ごすと、受診が遅れ早期発見ができなくなってしまいます。

 

医療機関が診断で使用する尺度をもとに、特に早期のうちに現れやすい生活障害および行動障害を示します。これらが現れたら早く医療機関を受診することが望まれます。

 

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<生活障害>

Q1. 5分前に聞いた話を思い出せないことがありますか

a. まったくない b. ときどきある c. 頻繁にある d. いつもそうだ

 

Q2. 今日が何月何日かわからなくなることがありますか

a. まったくない b. ときどきある c. 頻繁にある d. いつもそうだ

 

Q3. 一人で買い物はできますか

a. 問題ない b. だいたいできる c. あまりできない d. まったくできない

 

Q4. 自分で、薬を決まった時間に決まった分量のむことはできますか

a. 問題ない b. だいたいできる c. あまりできない d. まったくできない

 

⇒cまたはdが1項目でもついたら認知症の疑いあり

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<行動障害>

Q1. 同じことを何度も何度も聞く

Q2. よく物をなくしたり、置き場所を間違えたり、隠したりしている

Q3. 日常的な物事に関心を示さない

Q4. 昼間、寝てばかりいる

 

上記4項目はいずれも…

a. まったくない b. ほとんどない c. ときどきある d. 常にある

 

⇒a以外が1つでもあれば認知症の疑いあり

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(備考)0点以外は認知症の可能性ありと判断される (出典)溝口環也『DBDスケールによる老年期痴呆患者の行動異常評価に関する研究』(原題ママ)
[図表1]認知症行動障害尺度(DBD) (備考)0点以外は認知症の可能性ありと判断される
(出典)溝口環也『DBDスケールによる老年期痴呆患者の行動異常評価に関する研究』(原題ママ)

 

(備考)21項目の合計点数が、84点中31点以上の場合に認知症の可能性ありと判断される (出典)地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター研究所・自立促進と介護予防研究チーム(粟田主一)[図表2]地域包括ケアシステムにおける認知症アセスメントシート(DASC)
 -認知症初期集中支援チーム版
(備考)21項目の合計点数が、84点中31点以上の場合に認知症の可能性ありと判断される
(出典)地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター研究所・自立促進と介護予防研究チーム(粟田主一)

旭神経内科リハビリテーション病院 院長 日本神経学会認定神経内科専門医
日本老年精神医学会専門医
日本認知症学会専門医
日本リハビリテーション医学会認定リハビリテーション科専門医

千葉大学医学部を卒業後、銚子市立病院精神科、松戸市立病院神経内科を経て、旭神経内科医院を設立、院長に就任。

介護老人保護施設栗ヶ沢デイホーム施設長、千葉県東葛北部地域リハビリテーション広域支援センター長を兼任。

2002年には、回復期リハビリテーション病棟を開設。2004年に旭神経内科リハビリテーション病院に改称。認知症、寝たきりになっても、住み慣れた地域で長く暮らせる街づくりに取り組んでいる。

日本認知症ケア学会平成26年度奨励賞、2016年第25回若月賞受賞。

著者紹介

連載専門医が徹底解説!「隠れ認知症」の早期発見・早期ケア

※本連載は、旭俊臣氏の著書『増補改訂版 早期発見+早期ケアで怖くない隠れ認知症』(幻冬舎MC)より一部を抜粋・再編集したものです。

増補改訂版 早期発見+早期ケアで怖くない隠れ認知症

増補改訂版 早期発見+早期ケアで怖くない隠れ認知症

旭 俊臣

幻冬舎メディアコンサルティング

近年、日本では高齢化に伴って認知症患者が増えています。罹患を疑われる高齢者やその家族の間では進行防止や早期のケアに対する関心も高まっていますが、本人の自覚もなく、家族も気づいていない「隠れ認知症」についてはあま…

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