新型コロナの感染の長期化によって薬剤師業界がこれまでにない危機に直面している。新型コロナの感染不安から、医療機関の受診を控えるケースが急増していて、調剤薬局の経営悪化で薬剤師の人員配置の見直しや雇用形態の変更、雇い止めなどが発生している。コロナ禍に直面する薬剤師の国家試験の合格発表があった。薬剤師はどんな人が目指しているのか。

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薬剤師試験は新卒組が大健闘している

第107回薬剤師国家試験が、2022年2月19日(土)、20日(日)の2日間にわたり新型コロナウイルス感染症対策を行ったうえでの実施となった。

 

医療系の国家試験が今年もコロナ禍で行われたが、いずれも追試験は行われず、一発勝負となった。医療系国家試験の追試問題は国会でも議論されている。

 

後藤茂之厚生労働大臣は、「我々としてはやはり準備ができないということを申し上げております。公平性・実質性を担保する試験をしていくのが難しいのではないかということで、前回もやれなかったということで、ご理解をいただきたいと思います」と答弁している。

 

厚生労働省「第107回薬剤師国家試験 大学別合格者数」より
厚生労働省「第107回薬剤師国家試験 大学別合格者数」より

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第107回薬剤師国家試験の合格発表は3月24日に行われた。出願者数1万5609人(新卒者9726人)、受験者数1万4124人(新卒者8665人)、合格者数9607人(新卒者7386人)。合格率は68.02%(新卒者85.24%)で、前年(第106回)の68.66%と比べ、0.64ポイント減少した。

 

国公私立大別にみると、国立14校は84.38%(新卒者91.55%)、公立3校は81.00%(新卒者90.32%)、私立56校は66.96%(新卒者85.24%)という結果だった。

 

今年の合格率1位は金沢大学の95.24%(昨年94.7%)、2位は名城大学の82.51%(昨年92.68%)、3位は徳島大学の91.94%(昨年77.27%)。以下、4位昭和大学90.95%(昨年86.10%)、5位医療創生大学90.57%(昨年95.92%)と続く。

 

合格率で90%を超えたのはわずか5大学だった。新卒者合格率100%の大学は、全体で71.43%で国立大最下位の東京大学のみ、10人が出願・受験し、10人合格した。

 

合格者数を大学別にみると、東京薬科大学が401人ともっとも多く、京都薬科大学344人、明治薬科大学、帝京大学が各304人、大阪医科薬科大学281人が続いた。

 

合格ランキングを新卒のみでみると別の結果が浮かび上がってくる。

 

新卒者合格率1位は東京大学100%、2位は国際医療福祉大学97.81%、3位徳島大学97.73%、4位崇城大学96.25%、5位岐阜薬科大学62.10%と続く。

 

合格率90%以上は国立大14大学で11大学、公立大3大学で2大学、私立大56大学で17大学に増加する。旧4年制卒業生を含む既卒者が新卒者合格率の足を引っ張っている実態が明らかだ。

 

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