新型コロナ感染のなかの医学部試験も今年で3年目を迎えたが、終わりが見えてきた。厚生労働省は2023年3月16日、第117回医師国家試験の大学別合格発表を行った。出願者数1万586人、受験者数1万293人、合格者数9432人、合格率は91.6%で、前年2021年の91.7%と比べ0.1ポイント減少。1位は合格率100%で全員合格した順天堂大学。大学別の合格者はどう変化したのか。

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1位は新卒、既卒全員合格の順天堂大学

3月16日、厚生労働省は第117回医師国家試験の合格発表を行った。2021、2022年に続き、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)感染対策のため、厚労省講堂での受験番号掲示は行わず、ホームページ掲載と書面による通知のみで合格発表を行った。

 

第117回の医師国家試験は2月4日、5日に実施された。総出願者数は1万586人(新卒9703人)、総受験者数は1万293人(新卒9459人)、合格者9432人(新卒8972人)だった。全体の合格率は91.6%、新卒者は94.9%だった。女性の合格者は3261人(合格率93.0%)で、全体の34.6%。男性は6171人(合格率91.0%)%だった。

 

厚生労働省「第117回医師国家試験の学校別合格状況」より。
厚生労働省「第117回医師国家試験の学校別合格状況」より。

 

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大学別ランキングに触れていこう。

 

1位は新卒・既卒の受験者全員が合格した順天堂大学医学部(合格者数141人、うち新卒135人、既卒6人)だった。受験者全員が合格をしたのは同大学のみ。2位は国際医療福祉大学医学部(合格者124人、うち新卒124人)、3位は自治医科大学(合格者121人、うち新卒121人)。

 

新卒者合格率100%だったのは順天堂大の他に徳島大学、福島県立医科大学、愛知医科大学、久留米大学の5校で、前年の自治医科大学1校から大幅に増加した。

 

順天堂大学は2008年に900万円もの大幅な学費の値下げに踏み切ったところ、サラリーマン家庭の受験生も増え、志願者数が前年のおよそ2倍に増加した。この効果によって入試の難易度は上がり、学生の多様性や質を向上させてきた結果でもあるだろう。

 

順天堂大出身の医師はこう語る。

 

「医師国家試験の大学別合格率は、確かに各大学の特徴が見えてきますよね。基本的に、合格率が高い大学は、昔からチームワークのよい大学が多いと言えます。私立大は、国試合格率が、大学受験者数や偏差値に直結するため、大学側からの国試合格のための対策も手厚いことが多く、昔から非常に合格率が高い大学が見られます。順大も、6年生には、国試まで勉強部屋がいくつか用意され、みんなで合格できるような雰囲気作りには、心を配っていたりします」

 

今回注目されたのは2位の国際医療福祉大学だ。今年初めて一期生の卒業生を送り出し、合格者124人、合格率99.2%(出願者134人、受験者125人)の結果を出した。しかも、合格者のなかに留学生15人が含まれているという。

 

同大学は「一つの大学医学部から1度に15人もの留学生が医師国家試験に合格するのは、異例のことです。留学生合格者15人を出身国・地域別で見ると、ベトナム6人、モンゴル2人、インドネシア2人、カンボジア1人、ミャンマー1人、韓国1人、アメリカ1人、台湾1人です」とコメントした。

 

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