新型コロナ禍によって外出自粛で“プチペットブーム”だともいわれている。ペットとの生活に癒しを求めたり、家族内でのコミュニケーションを深めている。少子高齢化の日本では、家族の一員、我が子同然のように、生活をともにする飼い主も多く、ペットとの関わりはより強くなっている。2022年3月、農林水産省が獣医師国家試験の大学別合格発表をした。ペットのお医者さんはどんな人が目指しているのか。

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獣医師試験は新卒合格率が既卒より圧倒的に高い

犬、猫の飼育頭数は犬が710万6000頭、猫は894万6000頭の計1605万2000頭だ(「2021年全国犬猫飼育実態調査」一般社団ペットフード協会調べ)。

 

猫の飼育頭数は2013年以来、緩やかに増加しているが、犬の飼育頭数は減少傾向だという。一方、1年以内に新しく飼育を始めた人の飼育頭数は、犬、猫ともにコロナ前の2019年と比べ、2020年、2021年とも増回している。

 

新型コロナ後に飼育し始めた人で、犬を飼い始めた人は「心穏やかに過ごせる日々が増えた」、猫を飼い始めた人は「ペットと過ごす時間」が増え、「ペットを癒し」と感じる人が増加しているという。

 

新型コロナ禍で、リモートワークなどで自宅にいる時間が増えた影響で、ペットとの生活から癒しを求めたり、家族内でのコミュニケーションを深めているという実態が明らかになった。

 

そんな動物たちの健康管理と病気に携わる“動物のお医者さん”が獣医師だ。第73回獣医師国家試験の合格発表が3月15日にあった。

 

農林水産省「第73回獣医師国家試験の結果」より
農林水産省「第73回獣医師国家試験の結果」より

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2022年の受験者数は1196人(新卒者983人)、合格者数960人(新卒者871人)、合格率は80.3%(新卒者88.6%)で、前年比2.9ポイントダウンという結果だった。

 

過去5年の結果と比較すると、2022年は全体の合格率、新卒者の合格率ともに4番目だった。過去5年の各大学のランキングの推移は別表に示したので確認していただきたい。

 

獣医学課程を持つ大学は、専門大学を含め、全国で16校しかないため、狭き門といわれる(17校目の岡山理科大学[加計学園]獣医学部はまだ国家試験受験者を出していない)。

 

2022年の獣医師国家試験の結果をみていこう。新卒者の合格率が高いのは、医師国家試験、歯科医師国家試験と同様だが、獣医師国家試験の場合、その差は圧倒的だ。新卒者88.6%に対して、既卒者42.0%と半分以下である。

 

1位は岐阜大学で97.1%で、前年15位(83.3%)からの大躍進だ。2位は鳥取大学で96.9%で前年1位(100%)、3位は東京農工大学で94.3%で前年4位(95.1%)だった。以下、4位北里大学94.3%(前年11位、91.7%)、5位日本獣医生命科学大学93.9%(前年7位、92.7%)という結果だった。

 

毎回注目される最難関の東京大学だが、83.9%で13位だった。

 

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