(※画像はイメージです/PIXTA)

「少子高齢化」の波はいたるところに弊害をもたらしますが、実際、数値で見るとどれほどまで進んでいるのでしょうか。また、「少子高齢化」に伴い人口が減少するなか、なぜか住宅は増え続けているという現象があります。現代の「人」と「住まい」についてデータをもとに解説します。

人口減少の一方で増えていく住宅

総人口が右肩さがりで減少し続けている一方で、住宅は増加しているという側面があります。総務省が公表している、下記の図4をご覧ください。

 

【図4】総住宅数及び増加率の推移(昭和38年~平成30年)

 

数年前になりますが、平成30年10月1日おける総住宅数は6,242万戸、平成25年と比較して、179万戸増加していることが分かります。昭和63年から平成30年までの30年間で 2041万戸、48.6%増加しています。

 

住宅に住む人間の数は増加しているのに、住宅そのものは増え続けているとは、いったいどういうことなのでしょうか。図5をご覧ください。

 

     【図5】空き家数及び空き家率の推移

 

図5を確認すると、平成30年空き家は846万戸であり、平成25年と比較して26万戸
(3.2%)増加していることが分かります。空家数は昭和63年を起点に増加の一途を辿っており、平成30年までの30年間で、延べ452万戸(114.7%)増加しています。

 

なぜ、このような現象が起きるのでしょうか。

 

様々な要因が考えられますが、1つは住宅・建設業者の収益構造に無理が生じていることが挙げられます。賃貸住宅よりも分譲マンションや建売住宅の方が効率的に利益を得ることができるため、新しい住宅を建築し続け、それらの営業に力を入れ売り続けるというのが利益を最大化するロールモデルとなっているためです。

 

また、政府の政策もまた、住宅過多に寄与しています。近年は中古住宅の購入を後押しとなる政策も徐々に増えてきています。ですが、かつては補助金や住宅ローン減税などの処置は新築住宅の購入を後押しするものに偏っていたことも一因です。

 

住宅利用されていない空き家がこのまま増え続ければ、廃墟が増え、それらの始末に多額のコストがかかります。さらに。廃墟が増えると治安が悪化するというデータもあり、決して喜ばしい現象とは言えません。目先の利益ではなく、永続性のある住宅売買のビジネスモデルを新たに創り出す時がきていると言えるのではないでしょうか。

 

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