夫婦共同名義のマンションも遺産分割の対象に
姑「あんたなんかと結婚したから、Bはこんなに若いのに死んだのよ!」
Aさん「……」
姑「本当なら、違う人と結婚して、私たちにも孫ができて、幸せな毎日が続くはずだったのに……全部、あなたのせいよ!」
Bさんの葬儀で、Aさんは姑から、散々、罵倒されました。そんな姑を親戚が止めに入りましたが、姑は姑で、子どもに先立たれ、錯乱状態だったのでしょう。Aさんにしても、なにか言い返す気力など、ありませんでした。
それからしばらくたち、Bさんの遺産をどう分けるか、遺産分割協議の場が設けられました。出席者は、配偶者であるAさん、そしてBさんの両親。
「まだBが亡くなってから時間が経っていないというのに、不謹慎ね」と姑が皮肉たっぷりにいいます。それに対して、舅は「何をいっているんだ。いずれは話さないといけないことだ。早いも、遅いもないだろう」と、姑をたしなめてくれました。
姑「で、Bの遺産はどれくらいあるの?」
Aさん「自宅のマンションと、あとBさん名義の通帳が、この2冊。遺産といえるのは、以上です」
Bさんの2冊の通帳には、1,500万円ほどの貯金がありました。
舅「私たちはもう年だから、いまさら遺産なんてもらっても仕方がないんだよ。だからBの遺産は放棄しようと考えて……」
姑「何いっているのよ! Bは私たちの子どもよ。なのに、結婚しているからって、この人に分けなきゃいけないなんて、おかしいと思わない?」
Aさん・舅「……」
姑「もとはといえばこんな女と結婚したせいでBが死んだのよ!それなのにBの財産まで取られるなんて許せない!」
舅「おい! いい加減にしろ」
姑「この人(=舅)がなんといおうと、私は、もらえるだけもらうわ。Bの貯金だって、あのマンションだって!」
Aさん「えっ、マンションって。私はこれからも、そこに住もうと……」
姑「そんなこと、関係ないじゃない! きちんとマンションも分けてちょうだい! それで、あんたとは、きれいさっぱり、縁が切れるわ!」
このあとも、姑の口撃はしばらく続きました。最終的に舅の仲介もあり、Bさんの遺産はすべて、Aさんが相続することになったそうです。しかし嫁姑の付き合いは、ゼロになったといいます。