(※写真はイメージです/PIXTA)

日本政府は国民に向け、老後の資産形成を目的とした「株の長期投資」を行うよう推奨しており、行動に移す国民も増えています。長期投資は比較的安全とされる一方、短期投資はギャンブル的な側面が強く、プラスの結果を残すのは並大抵ではありません。しかし、一般的なギャンブルより勝率は高く、そこに着目して楽しむ方法はありそうです。自身も短期投資を趣味とする、経済評論家の塚崎公義氏が解説します。

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「カジノのギャンブル」と「株の短期投資」は似ている

会社の価値が短期間で大きく変わることは滅多にありません。しかし、株価が短期間で大きく動くことは珍しくありません。投資家たちが「この株が上がりそうだ」と考えて買い注文を出せば、実際に株価が大きく上がるかもしれないからです。

 

このように、「会社の価値がかわらないのに株価が変わる」ことを利用して利益を得ようというのが「株の短期投資」なのです。しかしそれは、非常に難しいことです。

 

この会社は将来的に儲かりそうか、この会社の価値は将来上がりそうか…といったことを予想するのも簡単ではありませんが、いろいろと方法はありそうです。

 

しかし、「明日になったら多くの投資家が、A社株の値上がりを予想して買い注文を出すだろう」ということを予想し、それならA社株が値上がりする前に買っておこう、という行動で儲けるのは、よほどの天才でない限り無理でしょう。

 

一般の投資家にとっては、カジノのルーレットで赤が出るか黒が出るかを予想するのと、A社株が値上がりするか値下がりするかを予想するのは、同じくらい難しいのではないでしょうか。

 

つまり、株の短期投資をするのはカジノでルーレットに賭けるのと同様のバクチなのです。

 

筆者は、バクチだから問題だなどとは考えません。筆者自身バクチは好きですから、株の短期投資を楽しんでいます。カジノや競馬競輪より、株の短期投資のほうが「期待値が高い」ですから(笑)。

株の短期投資は「カジノより期待値が高い」ので…

カジノや競馬や競輪は、客の賭けた金額と客の受け取った金額の差が結構大きいといわれています。胴元が利益を稼いでいるわけですね。つまり、客としては期待値が結構マイナスなのに、金を賭けているわけです。それは、客が積極的(強欲?)で大胆(向こう見ず?)だからでしょう(笑)。

 

一方、株式市場の主な投資家は、臆病(慎重?)でリスクを嫌います。10円儲かるか10円損するか、確率が五分五分だったら賭けはしないのです。12円儲かるか10円損するか五分五分だったら、慎重に考えた上で投資をしてみる、といったイメージでしょうか。

 

そうした臆病な投資家ばかり集まる株式市場では、11円儲かるか10円損するか、といった投資案件にはだれも投資しないので、筆者が投資しようと思えば簡単に投資できるのです。

 

長期投資の話になってしまいますが、配当利回りのほうが銀行預金の金利よりもはるかに高いのは、人々が臆病で「株は配当利回りが高いけれども、暴落して損をするリスクがあるから買いたくない」と考えているからです。筆者が株の長期投資で高い配当利回りが享受できているのは、株式市場の投資家たちが臆病だからです。

 

説明に使えるわかりやすい事例が思いつきませんが、短期投資についても、同様な事が起きているはずです。

 

ちなみに、投資の教科書は「リスクは悪いものだ」という前提で書かれています。ここでリスクというのは、日常用語のリスクではなく、「儲かるか損するかわからない状態」を意味しています。

 

つまり、12円儲かるか10円損するかわからない状態は、リスクがあって嫌だけれども、期待値として1円儲かる(12円とマイナス10円の平均)嬉しさが若干優っているから投資をしてもいい、といった発想が大元にあるのです。

 

まあ、バクチが好きな筆者でも、「3倍になるかゼロになるか」に全財産を賭けてみろといわれたら嫌ですから、わからなくもありませんが(笑)。

 

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