株式投資デビュー前に、必ず理解してほしい…「長期投資と短期投資の違い」「リスク軽減の考え方」 (※写真はイメージです/PIXTA)

資産形成のために投資を行う人が増えています。しかし、なかには基本的な知識がないまま購入に踏み切ってしまうなど、危うい投資行動をしている方も散見されます。株式投資について、まず最初に知っておくべきポイントを、経済評論家の塚崎公義氏が平易に解説します。

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「短期投資」か、それとも「長期投資」か?

株式投資というのは、株を買って売ることですが、同じ行為でも目的はさまざまです。最も大きな違いは「短期投資か、長期投資か」でしょう。これは、単に期間が違うということではありません。

 

「企業の価値が変わらないのに株価が動く」ことを利用して儲けようという短期投資と、企業の生み出す価値の分け前にあずかろうという長期投資では、投資に際して考えるべきことがまったく違うのです。

短期投資は「人々の心理を」読む!

短期投資は、ほかの投資家が株を買うのか売るのかを予想するわけです。ケインズはそれを美人投票にたとえましたが、それについては別の機会に詳述するとして、結論だけいえば「皆が上がると思うと皆が買い注文を出すので実際に上がる。だから、皆が上がると思うか否かを予想せよ」というわけです。

 

しかし、それは極めて困難な作業です。天才的な才能がある人は別として、普通の投資家にとっては「カジノのルーレットで赤が出るか黒が出るかを予想する」のと似たようなものでしょう。つまり、株の短期投資はバクチなのです。

 

バクチが悪いというつもりはありません。筆者も大好きで、株の短期売買も行っています。ただ、大事な老後資金を投資するのは長期投資で、バクチは小遣いの範囲で楽しんでいます。老後資金を持ってカジノへ行く人がいないのと同じことですね(笑)。

長期投資は「企業の稼ぐ力」を見る!

一方で、長期投資は企業が生み出す価値の分け前にあずかろうという行為です。企業は株主と銀行から資金を集め、材料を仕入れて労働者を雇って物(財およびサービス、以下同様)を作って売ります。売値から仕入れ値を引いた値が付加価値と呼ばれるもので、それを銀行への金利、株主への配当、労働者への賃金、という形で分配するわけです。

 

分配されなかった残りは内部留保という形で企業に残りますが、これは株価を押し上げる要因となります。売り上げも利益も同じならば、内部留保が多い会社の方が、株価が高くなるのが自然だからです。

 

したがって、株の長期投資を行なう際には、企業が10年後も利益を稼いでいるか否かを予想します。企業が利益さえ稼いでいれば、配当という形であれ値上がり益という形であれ、株主が分け前にあずかれるはずだからです。

長期投資は「割高・割安」で判断するが、短期では…

株式投資を論じる際に「この株は割安だから買おう」と話題になることも多いでしょう。割安のときに株を買って、割高のときに株を売れば儲かるはずだ、というわけですね。

 

この考え方は、「株価には適正水準があるが、時として実際の株価が適正水準から乖離するから、それを利用して儲けよう」ということです。一見して、短期投資に向いていると思う人がいるかもしれませんが、むしろ長期投資に向いているのです。

 

人々が弱気になっている時は、株価が下落して適正水準を下回っても売りが止まらず、さらに下落する場合も少なくありません。借金で株を買っていた人が、銀行から返済を迫られ株を売るので、さらに株価が下落する…といった力も働きかねません。

 

したがって、短期投資で儲けようと思うのであれば、「割安だから株を買う」というのは危険なことかもしれないわけです。

 

一方、人々は弱気になったり強気になったりするものですから、株価はいつか適正水準に戻るでしょうし、適正水準を上回るかもしれません。したがって、割安なときに買っておけば、いつかは値上がり益が得られる可能性が高いわけです。

 

株価が適正水準に戻ったり、適正水準を上回ったりしたとしても、すぐに売る必要はありません。企業の生み出す価値の分け前にあずかりながら、売りたくなるまで持っていればいいのです。将来売ったときに、割安で買った分の儲けが企業の生み出した価値に上乗せされて得られるのだ、と気長に考えましょう。

その投資は儲け目的か、リスク回避か…明確に区別を

短期投資か長期投資か、という話とは別に、儲けるための投資かリスクを避けるための投資か、という区別も非常に重要です。リスクをとらずに儲けることはできないので、儲けを狙うということは一か八かの勝負をするということだからです。

 

成長株をひとつだけ選んで集中的に投資をすれば、大儲けができるかもしれませんが、大損するかもしれません。安いと思ったときに一気に買えば、大儲けができるかもしれませんが、その後も暴落が続いて大損するかもしれません。

 

一方で、多くの銘柄の株を時間をかけて少しずつ買っていけば、大儲けできる可能性は小さいでしょうが、大損をする可能性も小さいでしょう。長期投資ならば、大損する可能性を避けながら、企業の生み出す価値の分け前にあずかれるわけです。

 

もうひとつ、筆者が重視しているのは、銀行預金はインフレに弱いリスク資産だから、インフレに強い株式も併せて持っておく事が、トータルとしてのリスクを減らす事になる、という考え方です。この点については拙稿『日本の高齢者の絶対多数「資産形成=銀行預金」思考がもたらすコワい未来図』をご参照いただければ幸いです。

 

 

本稿は以上ですが、投資は自己責任でお願いします。なお、本稿は筆者の個人的見解であり、筆者の所属する組織等々の見解ではありません。また、本稿はわかりやすさを重視しているため、細部が厳密でない場合があり得ます。

 

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塚崎 公義
経済評論家

 

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経済評論家

1981年東京大学法学部卒、日本興業銀行(現みずほ銀行)入行。主に経済調査関連の仕事に従事したのち、2005年に退職して久留米大学へ。2022年4月に定年退職し、現在は経済評論家。

著書に、『老後破産しないためのお金の教科書―年金・資産運用・相続の基礎知識』『初心者のための経済指標の見方・読み方 景気の先を読む力が身につく』(以上、東洋経済新報社)、『なんだ、そうなのか! 経済入門』(日本経済新聞出版社)、『退職金貧乏 定年後の「お金」の話』『なぜ、バブルは繰り返されるか?』(以上、祥伝社)、『経済暴論』『一番わかりやすい日本経済入門』(以上、河出書房新社)など多数。

趣味はFacebookとブログ。

著者紹介

連載「不確実性の時代」を生きる、投資初心者のための株式投資入門

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