16日…素人の発想
新しい事業を発展させるためには、何にもとらわれない自由な発想が必要である。また、そのような自由な発想は既成概念に染まりきった専門家からではなく、素人から生まれるものだ。
17日…現場には神がいる
仕事の現場には、神がいる。どんなに工夫をこらし、試行錯誤を重ねてもうまくいかず、壁にぶち当たって万策尽きたと思えることがある。そういうときはいったん冷静になって、もう一度周囲を観察し直してみることだ。すると神の声が聞こえてくる。現場や製品のほうから、「こうしたらどうだ」と解決のヒントをささやきかけてくることがある。
18日…答えは現場にある
答えは常に現場にある。しかしその答えを得るには、心情的には仕事に対する誰にも負けない強い情熱や、深い思い入れを持つことが必要である。
19日…羅針盤なき航海
創造的な領域では、基準とするものがない。真っ暗闇で嵐が吹きすさぶ海原を、羅針盤も持たず航海していくようなものだ。創造の領域では自分自身の中に羅針盤を求めて、方向を定め、進んでいかなければならない。
20日…信じる道を行く
これが正しい道だと固く信じているのであれば、その道がどんなに険しかろうと、どんな悪天候に遭遇しようと、その道をまっすぐ頂上まで登るべきだと、私は心に決めた。以来私は全員が一緒に頂上に到達できるように、他人へと同様、自分にも常に厳しい姿勢で臨み続けた。安易な道はたいていの場合、ゴールへ導いてくれないのである。
21日…理想をめざす
最初に到達すべき理想を描き、どんな障害があろうと、まっしぐらに進んでいく。めざす頂が明確に見えているからこそ、峻険な岩場に果敢に挑戦し、それを越えて、何があっても登ろうという気力が生まれるのだ。
22日…持てる力を出し切る
「おまえがそこまで努力したのなら、その願望が成就するよう助けてやらなくてはなるまい」と、神が重い腰を上げるくらいまでの徹底した仕事への打ち込みが、困難な仕事にあたるとき、また高い目標を成し遂げていくときには絶対に必要になるのです。
稲盛 和夫
京セラ株式会社
名誉会長