事業承継は思い立ったらすぐに実行できるというものではありません。親族や従業員への承継、あるいは社外への引き継ぎであって、事業承継をスムーズに行うためには入念に準備する必要があります。そのなかでも特に意識して準備したいのが「見える化」と「磨き上げ」です。株式会社M&Aナビ社長の瀧田雄介氏が著書『中小企業向け 会社を守る事業承継』(アルク)で解説します。
事業承継は資産を委譲すれば終わりではない
ステップ⑤:事業承継の実行
事業承継計画やM&Aの手続きに沿って、株式や事業用資産、経営権の承継を実行します。税負担や法的手続きが必要になるので、この段階でも弁護士や税理士、公認会計士、金融機関など専門家の協力は必須です。
ポスト事業承継(成長・発展)
事業承継は、各種資産を委譲して終わりではありません。さらなる成長・発展を遂げるためには、後継者が新たな視点で既存の事業を見直し、特長を生かしつつ、新たなビジネスに取り組むことも考えられます。
精肉店がステーキ店や焼き肉店に進出する、紙媒体をメインとするデザイン・印刷会社がウェブ領域にも乗り出すなど、経営者交代がイノベーションにつながることは多くあります。こういった事業の進化を実行するには、事業承継前から後継者と話し合い、交代後の取り組みに対して具体的にプランを練っておくことです。
瀧田雄介
株式会社M&Aナビ 代表取締役社長
株式会社M&Aナビ
代表取締役社長
1990年生まれ。広島県出身。大手業務基幹パッケージベンダー株式会社ワークスアプリケーションズにて、人事・給与プロダクト開発に従事。その後、スタートアップ企業にてサービス開発を経験し、ソフトウェア開発会社を設立。M&A ナビの開発に当初より関わり、2019年1月取締役CTOとして株式会社ALIVALに参画。2021年2月に代表取締役社長就任、商号も株式会社 M&A ナビに変更する。日本の事業承継問題を解決できるような新たなプラットフォームの創出を目指す。後継者不足で悩む経営者と親密な関係を築いている地域金融機関がM&Aのメインプレイヤーになるべきという想いから、現在は、自社サービスを地域金融機関にSaaS として提供し、地域金融機関のM&A・事業承継のDXを支援する。
株式会社M&Aナビ
https://ma-navigator.com/
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