疫病の蔓延や世界情勢の悪化……不安定な世の中において、私たちはどのように生きていくべきしょうか。京セラ株式会社をはじめ、KDDI、JALと3つの世界的企業を率いた稀代の名経営者・稲盛和夫氏は、数々の著作や講演で多くの人に勇気を与え、背中を押してきました。今回は、そんな稲盛氏がすべてのビジネスマンにおくった「366の箴言」より、5月2日〜5月8日の言葉を紹介します。

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5月2日…人格は変化する

努力家で謙虚であったはずの人が、いったん権力の座に就くと、一転、傲岸不遜(ごうがんふそん)になることがあります。

 

一方、身を誤った人間であっても、心を入れかえ、研鑽と努力を重ねて、素晴らしい人格者に一変した例もあります。

 

リーダーを選ぶにあたり、「人格」というものが、絶えず変化していくものであることを忘れてはなりません。

5月3日…人間として正しいこと

現在の社会は、不正が平然と行われていたり、利己的で勝手な行動をとる人がいたりと、決して理想的なものではないかもしれません。

 

しかし、世の中がどうであろうと、私は「人間として何が正しいか」を自らに問い、誰から見ても正しいことを、つまり、人間として普遍的に正しいことを追求し、理想を追い続けようと決めたのです。

5月4日…大切な価値観

「人間として正しいことを追求する」ということは、どのような状況に置かれようと、公正、公平、正義、努力、勇気、博愛、謙虚、誠実というような言葉で表現できるものを最も大切な価値観として尊重し、それに基づき行動しようというものです。

5月5日…筋は通っているか

物事に筋が通っているか、すなわち道理に適っているかどうかを判断するためには、単に論理的に矛盾がないかということだけではなく、それが人としてとるべき道に照らし合わせて、不都合がないかということの確認が必要だ。

5月6日…正道に困難はつきもの

世の中の多くがご都合主義、あるいは自分の利害得失で生きている中で、真面目に、原理原則を貫いて生きていこうと思えば、いろいろと困難に遭遇してしまう。

 

しかし、正道を実行する人が困難に遭遇するのは当然のことだ。だからこそ、困難を楽しむくらいの境地にならなければ、正道を実践し続けることはできない。

5月7日…渦の中心に立つ

会社など集団の中で仕事を円滑に進めていくには、それがどんな仕事であれ必ず、エネルギッシュに中心的役割を果たしてくれる人が必要となります。

 

そのような人を中心にあたかも上昇気流が湧き起こるかのように、全員を巻き込んで組織が大きく動いていく。

 

そんな自分から積極的に仕事に向かい、周囲に働きかけ、仕事をダイナミックに進めていける人を、私は「渦の中心で仕事をしている人」と表現しています。

5月8日…本音でぶつかれ

経営課題を解決していこうと思えば、「あなたのやり方のここが問題だと思います。こうすべきでしょう」と幹部同士でもズバズバ本音で議論しなければならないのに、ストレートなものの言い方をして人間関係が壊れてしまっては困ると、どうしても建前で話をしてしまう。

 

経営では毎日が修羅場ですから、建前論で済ませられるわけがない。会社を伸ばしていこうと思えば、本音をぶつけ合わなければならないのです。

 

 

稲盛 和夫

京セラ株式会社

名誉会長

 

本記事は、稲盛和夫氏の著書『稲盛和夫一日一言』(致知出版社)より一部を抜粋したものです。

稲盛和夫一日一言 運命を高める言葉

稲盛和夫一日一言 運命を高める言葉

稲盛 和夫

致知出版社

京セラ、KDDI、JALという3つの世界的企業を率いた稀代の名経営者・稲盛和夫氏。その稲盛氏による待望の語録集が、一日一言(いちげん)として誕生しました。 「全身全霊を込め、あたかも魂をほとばしらせるがごとく話すことを…

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