(※写真はイメージです/PIXTA)

耐震基準を満たしていない、昭和43年築のビル……入居する借主が貸主に対して改修工事を依頼したころ、貸主がこれを拒否し、裁判沙汰となりました。借主側はさまざまな理由から耐震改修の必要性を訴えるも、判決はまさかの「耐震改修の義務なし」……耐震基準に満たない物件にもかかわらず、裁判所が「改修の義務なし」としたのはなぜなのでしょうか。賃貸・不動産問題の知識と実務経験を備えた弁護士の北村亮典氏が、実際にあった裁判例をもとに解説します。

賃貸人に補修義務はないものの…リスクの意識は重要

以上の裁判所の考え方をまとめますと、

 

・賃貸借契約締結当時に耐震性能が問題となったかどうか、または、賃貸物件が最新の耐震性能を満たしていることが契約の内容となっていたかどうかがまず問題となる。

→最新の耐震性能を満たすことが契約の内容となっていた場合は、それを満たすよう賃貸人は修繕をする必要がある。
→契約締結時に、耐震性能を特に問題としなかった場合は、その建物が建築当時に予定されていた耐震性能を有していればよい。

 

・ただし、契約継続中に、賃貸物件の利用にあたって具体的な問題が生じた場合は、賃貸人においても対応が必要になる場合がある。

 

といえるでしょう。

 

この裁判例では、賃貸人の耐震工事に関する修繕義務は原則として否定されていますが、他方で、万が一、強大な地震が発生して賃貸建物の崩落等が発生して賃借人に損害が発生した場合、場合によっては、賃貸人にも責任追及が及ぶリスクがあります。

 

したがって賃貸人としては、このリスクを意識しつつ、賃貸物件の耐震性能を意識した管理を検討する必要があると考えられます。

 

※この記事は、2021年9月20日時点の情報に基づいて書かれています。(2022年4月5日再監修済)

 

 

北村 亮典

弁護士

こすぎ法律事務所
 

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    ※本記事は、北村亮典氏監修のHP「賃貸・不動産法律問題サポート弁護士相談室」掲載の記事・コラムを転載し、再作成したものです。

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