(写真はイメージです/PIXTA)

原油高の影響で、22年2月の貿易収支は6,683億円の赤字となりました。ニッセイ基礎研究所の斎藤太郎氏によると、当面赤字が続く可能性が高いといいます。本記事で詳しく解説します。

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    自動車輸出の低迷が続く

    22年2月の輸出数量指数を地域別に見ると、米国向けが前年比5.0%(1月:同▲1.1%)、EU向けが前年比2.1%(1月:同9.8%)、アジア向けが前年比6.1%(1月:同▲10.5%)、うち中国向けが前年比▲8.5%(1月:同▲18.2%)となった。

     

    [図表6]地域別輸出数量指数(季節調整値)の推移
    [図表6]地域別輸出数量指数(季節調整値)の推移

     

    22年2月の地域別輸出数量指数を季節調整値(当研究所による試算値)でみると、米国向けが前月比5.2%(1月:同▲9.6%)、EU向けが前月比▲7.0%(1月:同6.9%)、アジア向けが前月比3.1%(12月:同▲1.6%)、中国向けが前月比1.6%(1月:同2.2%)、全体では前月比0.0%(1月:同0.7%)となった。

     

    22年1、2月の平均を21年10~12月期と比較すると、米国向けは▲1.7%低いが、EU向けが1.2%、アジア向けが0.7%、中国向けが3.9%、全体では0.7%高くなっている。EU向け、アジア向けは底堅さを維持しているが、供給制約の影響で低迷が続く自動車輸出の割合が高い米国向けが弱い動きとなっている。

     

    自動車輸出(対世界)は名目では前年比8.3%の増加となったが、台数ベースでは前年比▲5.5%(1月:同▲11.7%)と2ヵ月連続で減少した。季節調整値(当研究所による試算値)では、前月比0.5%と2ヵ月ぶりの増加となったが、1月に同▲5.8%と大きく落ち込んだ後としては戻りが弱い。

     

    [図表7]自動車生産と自動車輸出の推移
    [図表7]自動車生産と自動車輸出の推移

     

    新型コロナウイルス感染拡大に伴う部品供給不足によって、工場の操業停止が相次いでおり、このことが自動車輸出の低迷につながっている。鉱工業生産の輸送機械は2月が前月比12.3%、3月が同13.1%の大幅増産計画となっているが、自動車輸出の動向を踏まえれば、実際の生産は計画から大きく下振れる可能性が高い。

     

     

    斎藤 太郎

    ニッセイ基礎研究所

     

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    ※本記事記載のデータは各種の情報源からニッセイ基礎研究所が入手・加工したものであり、その正確性と安全性を保証するものではありません。また、本記事は情報提供が目的であり、記載の意見や予測は、いかなる契約の締結や解約を勧誘するものではありません。
    ※本記事は、ニッセイ基礎研究所が2022年3月16日に公開したレポートを転載したものです。

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