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連載ニッセイ基礎研究所レポート・インサイト【第118回】

資金循環統計(21年10~12月期)…個人金融資産は2023兆円と初めて2000兆円を突破、海外勢の国債保有高が初めて預金取扱機関を上回る

金融資産資産循環家計金融資産

資金循環統計(21年10~12月期)…個人金融資産は2023兆円と初めて2000兆円を突破、海外勢の国債保有高が初めて預金取扱機関を上回る (写真はイメージです/PIXTA)

2021年12月末の個人金融資産残高は、前年比87兆円増(4.5%増)の過去最高の2023兆円となりました。統計をもとに、ニッセイ基礎研究所の上野剛志氏が日本の資金循環の現況について解説します。

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個人金融資産(21年12月末)…前期比では24兆円増

2021年12月末の個人金融資産残高は、前年比87兆円増(4.5%増)の2023兆円となり、6期連続で過去最高を更新した※1。年間で見た場合、資金の純流入が44兆円に達したほか、円安・株高の進行を背景に時価変動※2の影響がプラス43兆円(うち株式等がプラス27兆円、投資信託がプラス10兆円)も発生し、残高を押し上げた。
※1 今回、確報化に伴い、2021年7~9月期の計数が遡及改定されている。

※2 統計上の表現は「調整額」(フローとストックの差額)だが、本稿ではわかりやすさを重視し、「時価(変動)」と表記。

 

四半期ベースで見ると、個人金融資産は前期末(9月末)比で24兆円増と7期連続で増加した。例年、10~12月期は一般的な賞与支給月を含むことから資金流入が進む

※ コロナ前である2016~2019年10~12月期の平均は19.3兆円増

 

今回は例年をやや上回る26兆円の資金流入があった。一方、この間に株価が弱含んだことで、時価変動の影響がマイナス2兆円(うち株式等がマイナス6兆円、投資信託がプラス3兆円)発生し、資産残高増加の抑制に働いた[図表1~4]。

 

[図表1] 家計の金融資産残高(グロス)
[図表1] 家計の金融資産残高(グロス)

 

[図表2] 家計の金融資産増減(フローの動き)
[図表2] 家計の金融資産増減(フローの動き)

 

[図表3] 家計の金融資産残高(時価変動)
[図表3] 家計の金融資産残高(時価変動)

 

[図表4] 株価と円相場の推移(月次終値)
[図表4] 株価と円相場の推移(月次終値)

 

なお、家計の金融資産は、既述のとおり10~12月期に24兆円増加したが、この間の金融負債は3兆円の増加に留まったため、金融資産から負債を控除した純資産残高は9月末比で21兆円増の1658兆円となった[図表5]。

 

[図表5]家計の金融資産と金融純資産
[図表5]家計の金融資産と金融純資産


ちなみに、足元の1~3月期については、一般的な賞与支給月を含まないことから、例年、10兆円前後資金流出が進む傾向がある。今年はオミクロン株の拡大・まん延防止等重点措置の発令による消費の抑制(貯蓄の押し上げ)があったとみられるが、それでも小幅な資金流出と推定される。

 

また、ウクライナ情勢緊迫化等によって株価が大きく下落したことも個人金融資産の目減りに繋がっているはずだ。ただし、こうした要因を考慮しても、株価が急落しない限り、3月末時点の個人金融資産残高は2000兆円台を維持する可能性が高い。
 

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ニッセイ基礎研究所 上席エコノミスト

1998年 日本生命保険相互会社入社
2009年 ニッセイ基礎研究所へ

著者紹介

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※本記事記載のデータは各種の情報源からニッセイ基礎研究所が入手・加工したものであり、その正確性と安全性を保証するものではありません。また、本記事は情報提供が目的であり、記載の意見や予測は、いかなる契約の締結や解約を勧誘するものではありません。
※本記事は、ニッセイ基礎研究所が2022年3月17日に公開したレポートを転載したものです。

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