ロシア政策金利が20%に…なぜルーブル急落で金利が上がるか

ロシア中央銀行は2月28日、政策金利を20%に引き上げる発表。ウクライナ侵攻による米欧の経済制裁で通貨ルーブルが急落、過去最安値を更新しました。さらにロシア国債も暴落しました。なぜ通貨が下がると金利があがり、国債が下がると利回りが上がるのでしょうか。日本経済の分岐点に幾度も立ち会った経済記者が著書『「経済成長」とは何か?日本人の給料が25年上がらない理由』(ワニブックスPLUS新書)で解説します。

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銀行の利子を基準にして貸出金利が定着

■利子、利息、金利とは?

 

経済やお金の話がなされる際、「利子」「利息」「金利」という言葉が出てきますが、それぞれどういうものなのでしょうか。

 

まず「利子」は『広辞苑』では〈債務者が貨幣使用料として債権者に一定の割合で支払う金銭。〉とされています。簡単な言い方をすると、「お金を借りた際に支払う代金」という感じでしょうか。

 

一方「利息」は『広辞苑』で〈他人に金銭を使用させたものが、一定の割合で定期に受ける報酬。〉とされています。こちらは「お金を貸した際に受け取る代金」といえるでしょう。つまり「利子」と「利息」は同じことで、「利子」は借り手側の、「利息」は貸し手側の言葉です。対象になっているお金をめぐる立場の違いによって使い分けられているというわけです。

 

次に「金利」ですが、『広辞苑』には以下のように記されています。

 

〈資金を一定期間貸したことに対して支払われる報酬。利子。また、利子額の元金に対する割合。〉

 

「利子」や「利息」は金額そのものを指しますが、金利は割合を示しているのです。例えば、100万円を金利(年率)1%で借り、1年後に返済を終えた場合、借りた元金の100万円とともに利子1万円を支払うことになります。

 

古来なぜ利息を取るのでしょうか? 貨幣が生まれてこの方、当然のように、どういう屁理屈がつこうと、利息はついているわけです。考えてみればよく「先立つものがないと……」と言いますが、先立つもの、つまりお金がないと新しいことを始めるのは困難です。

 

その困難を解消してくれるものを他者から調達するわけですから、その対価を支払うのは当然とも言えるのではないでしょうか?


ちなみにいわゆるイスラム世界には利息はありません。全知全能の唯一絶対神アッラーは利息を取ることを許していないからです。

 

利子がつくというのは借金の話、借入のほうです。それに対してお金を持っている人や組織がそれを使わずにいた場合、例えば銀行に預ければ利息がつきます。これは銀行という制度がかなり普及してからの話です。そうなると銀行の利子を基準にして、貸出金利という考え方が定着してきます。自らの手元にあるお金を預ける代わりに利息を取るということです。

 

あるいは金融市場が発達してくると、その金融市場でお金が取引されるわけです。例えば国債や地方債、社債です。

 

この場合、債券を発行するときにすでに金利(表面利率といいます)がついているわけです。表面利率というのは、債券に記載されている利率のことで、債券の額面金額に対して毎年支払われる利息の割合を意味します。例えば、債券の額面金額が100万円で、1年間で1万円の利息が受け取れる場合の表面利率は1%となります。

 

この金利がいろいろ変動するというのは、要するに元本の価格が需要と供給によって変わるからです。支払う利子そのものの絶対額は変わりませんから。つまり元本の価格、相場が変わるから、利子を元本で割った率=金利が変動するということです。

 

そもそも利子とは何かというと、これは「お金の値段」だということです。お金を貸すというのは、貸し手が手元から、その使用権を借り手に譲渡するわけです。その対価即ち「お金の値段」が利子です。

 

それからもうひとつ、利子というインセンティブが存在しないと、お金を持っている人たちは皆、それを手元にキープしてしまうでしょう。例外的に「じゃあ、これ、貸してあげる。無利子だよ」という話になっても、相手はだいたい親子や親族に限られます。たとえ友人であろうと、世話になった人であろうと、お金を貸すことでその使用権を手放すということになれば、実際には対価がないと難しい。借り手のほうも「利子を払いますから、お願いします」となるのが普通でしょう。

 

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産経新聞特別記者、編集委員兼論説委員

1946年高知県生まれ。70年早稲田大学政治経済学部経済学科卒後、日本経済新聞入社。ワシントン特派員、経済部次長・編集委員、米アジア財団(サンフランシスコ)上級フェロー、香港支局長、東京本社編集委員、日本経済研究センター欧米研究会座長(兼任)を経て、2006年に産経新聞社に移籍、現在に至る。主な著書に『日経新聞の真実』(光文社新書)、『人民元・ドル・円』(岩波新書)、『経済で読む「日・米・中」関係』(扶桑社新書)、『検証 米中貿易戦争』(マガジンランド)、『日本再興』(ワニブックス)がある。近著に『「経済成長」とは何か?日本人の給料が25年上がらない理由』(ワニブックスPLUS新書)がある。

著者紹介

連載日本人の給料が25年間上がらない残念な理由

本連載は田村秀男氏の著書『「経済成長」とは何か?日本人の給料が25年上がらない理由』(ワニブックスPLUS新書)の一部を抜粋し、再編集したものです。

「経済成長」とは何か?日本人の給料が25年上がらない理由

「経済成長」とは何か?日本人の給料が25年上がらない理由

田村 秀男

ワニブックスPLUS新書

給料が増えないのも、「安いニッポン」に成り下がったのも、すべて経済成長を軽視したことが原因です。 物価が上がらない、そして給料も上がらないことにすっかり慣れきってしまった日本人。ところが、世界中の指導者が第一の…

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