※画像はイメージです/PIXTA

身近な人が亡くなって遺品の整理をしたときに遺言書が見つかることがあります。もし、その場で開封したらどうなるのでしょうか? みていきましょう。

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「遺言書の検認」とは?

遺言書の検認とは、相続人に対して遺言書の存在とその内容を知らせ、遺言書の内容を明確にして偽造や変造を防ぐための手続きです。

 

ここで遺言書の内容とは、形状、加除訂正の状態、日付、署名などをさします。検認では遺言書が法的に有効であるか無効であるかの判断はされません。

 

検認を受けたからといって、遺言書が有効であるというわけではないので注意しましょう。遺言書が有効であるか無効であるかは、裁判で争われることになります。

遺言書の検認が必要な遺言書とは?

遺言書にはさまざまな形式があり、検認が必要な遺言書がある一方で、検認が必要でない遺言書もあります。

 

「自筆証書遺言」と「秘密証書遺言」は検認が必要

遺言書の形式は下の図に示すとおりで、通常、遺言書といえば普通方式の遺言書をさします。

 

普通方式の遺言書は「公正証書遺言」、「自筆証書遺言」、「秘密証書遺言」に区分され、下の表に示すようにそれぞれ特徴が異なります。これらのうち「自筆証書遺言」と「秘密証書遺言」は検認が必要です。

 

「公正証書遺言」は原本が公証役場で保管されますが、正本と謄本を持ち帰ることができます。「遺言公正証書」と書かれた遺言書が見つかった場合は、それは公正証書遺言の正本や謄本であり、検認を受ける必要はありません。

 

もし「遺言公正証書」以外の遺言書が見つかった場合は、それは「自筆証書遺言」か「秘密証書遺言」であり、家庭裁判所で検認を受ける必要があります。

 

保管制度を利用した遺言書は検認が不要になる平成30年の民法改正で遺言書の保管についての制度が新設されました。これは法務局で遺言書を保管してもらうことができる制度です。この制度を利用すると、家庭裁判所による検認手続きは不要となります。

 

検認するまでは開封厳禁

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見つかった遺言書(自筆証書遺言、秘密証書遺言)に封印がある場合は、勝手に開封してはいけません。法律では5万円以下の過料が科されることになっています。

 

勝手に開封したからといって、遺言書が無効になるわけではありません。ただし、開封したことで遺言書の偽造や変造を疑われる場合があります。

 

遺言書の開封をめぐるトラブルを考慮して、下の図のように遺言書の封筒に開封を禁止する注意書きが書かれている場合もあります。このような記載がなくても、遺言書を勝手に開封してはいけません。

 

 
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本連載は、税理士法人チェスターが運営する「税理士が教える相続税の知識」内の記事を転載・再編集したものです。

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