「肝硬変、肝がんまで進行した人」の比率に異変
脂肪肝というと、少し前まではお酒が好きな人の病気と思われていました。確かにお酒の飲み過ぎは肝臓に負担をかけます。過度の飲酒を続けているとアルコール性脂肪肝、さらにはアルコール性肝炎になります。お酒の飲み過ぎは肝臓を壊すというのは本当です。しかし、お酒を飲まないからといって油断はできません。
肝硬変の原因の約6割を占めるのが、B型またはC型肝炎です。つまり全体の6割程度はウイルス性の肝炎が原因であることが分かります。残りの4割弱が非B型・非C型ということになりますが、その内訳を見てみると半数以上がアルコール性であり、15%ほどが非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)となっています(※2)。
まだ脂肪肝の詳しい調査が始まって年月が浅いことから、実際にどれくらいの患者や予備群の人が国内にいるのかは今後の報告を見ていく必要があります。それでも肥満の増加を背景に、世界的にもまた日本でもお酒を飲まない人の脂肪肝の有病率は上昇していくと見られています。
いずれにしても肝硬変や肝がんまで進行する原因の肝炎はウイルス性やアルコール性が大半でしたが、にわかに非アルコール性の比率が高まっていることは確かです。
一般的には血液検査の数値だけでは脂肪肝とはわからないので、腹部CT検査や超音波検査と併せて診断することになります。健康診断や人間ドックで肝機能障害を指摘された場合は、脂肪肝の可能性があるかもしれません。必ず一度は、二次検査を受けることをお勧めします。
※2 医療情報科学研究所「病気がみえる vol.1消化器 第6版」メディックメディア、2020年
川本 徹
みなと芝クリニック 院長
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