本記事は、東洋証券株式会社の中国株コラム「長城街日報~中国株の現場から~」より転載したものです。

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市場を驚かせた超短期決算

「22年1~2月期の売上高と純利益はいずれも20%前後増加しました」――。

 

突然のアナウンスに市場がザワついた。貴州茅台酒(600519)が3月7日引け後に発表した1枚の簡単なリリース。2ヵ月のみの中途半端な業績公表は見たことがない。異例の展開の背景には何があったのだろうか。

 

代表的企業を筆頭に「2ヵ月決算」の公表相次ぐ

中国A株上場企業の決算期は一律で12月締め。各社には四半期決算の公表が義務付けられており、1~3月期分は同期終了から1ヵ月以内、つまり4月末までに提出することになっている。

 

自動車、電子、食品、航空などのセクターで月次データを出す企業もあるが、販売や輸送量などの基本データにとどまり、わざわざ売上高や利益などの公表はほぼ皆無。そのため、貴州茅台酒の発表は市場で驚きを持って受け止められた。

 

中国の代表的企業であるマオタイの動きを号砲に、オレもオレもとばかりに「2ヵ月決算」の公表が相次いでいる。

 

中国旅遊集団中免(601888)は「約20%の増収増益」、浙江三花智能控制(002050)は「40%前後増収・30%前後増益」、内蒙古伊利実業集団(600887)は「15%以上増収・20%以上増益」などと素知らぬ顔で、いや、ドヤ顔で明らかにしてきた。

 

これまでに100社前後が同様の発表をしたようだ。なかには、王府井集団(600859)のように「1~2月の販売は8.7%増加しました!」というややショボい内容(失礼!)も散見される。

 

まぁ、老舗小売企業がコロナ禍のなかでプラス成長したことは評価できよう。販売減だったら正直に公表してきたかどうかは定かではないが。

 

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