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景気伸び悩みのなか…2022年中国株のキーワード
「実需」「ディフェンシブ」が消費のキーワード、「メタバース」も話題
2022年の内需・消費関連では、景気の伸び悩みが意識される中で「実需」「ディフェンシブ」というキーワードが注目されそうだ。安定感があるのは白酒セクター。「共同富裕」政策により消費のグレードアップが進めば、宜賓五糧液(000858)などハイエンド酒の商機拡大が見込まれよう。
「メタバース(仮想世界)」も市場の大きな話題だ。ヘッドマウントディスプレイ(HMD)のOEM製造では歌爾(002241)や立訊精密工業(002475)が代表格だ。
一方、新型コロナの感染再拡大や北京冬季五輪に伴う移動制限で、特に年初から春先にかけて消費の下振れリスクが懸念される。
美団(03690)や同程旅行控股(00780)、安踏体育用品(02020)などの株価低迷も予想されるが、投資の好機と捉える向きも出てこよう。不動産市場の底入れが意識されれば、周辺需要が盛り返し家電販売に弾みが付く可能性もある。
ネット企業はバリュエーションの修復に期待、ハイテク分野は国産化推進へ
ネット業界に対する当局の規制は長引いており、その不確実性は依然として払拭できない状況にあるが、既に峠を越えたとの認識が広がっている。
ネット大手は22年、規制下における事業運営を迫られ、成長軌道に戻るには時間を要する可能性もあるが、将来を見据えた積極的な成長投資と魅力的なバリュエーションは見直し買いを誘おう。
百度(09888)は自動運転に注力し、電気自動車の生産にも乗り出した。アリババ集団(09988)はクラウドを新たな収益の柱として推し進め、事業部門再編や部門トップの権限強化などを通じ、機動性の高い組織の構築、競争力の強化を狙う。テンセント(00700)はゲームの海外展開を推進する。
米中対立が長引く中、中国では半導体などハイテク分野で国産化の動きが活発化している。中国のファブレス半導体大手、北京兆易創新科技(ギガデバイス、603986)の自社ブランドDRAM事業は22年に急拡大する見通し。