(※写真はイメージです/PIXTA)

「いい税理士」を味方につけるには、どんな目的で、何がしたいかを踏まえたうえで、そのニーズを満たせる税理士を探すことが重要です。今回は、資金を増やし、会社と個人の資産を増やしたいと考えている経営者にとっての「いい税理士の見つけ方」を見ていきましょう。資金繰り専門税理士・菅原由一氏が解説します。

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    「役員報酬を抑えましょう」という税理士は多いが…

    ■こういうアドバイスをする税理士に相談しても、一生お金持ちにはなれない

    これは倒産回避や赤字脱却のための資金繰りというよりも、資金を増やし、会社と個人の資産を増やしたいと考えている人へのアドバイス。

     

    一般的な税理士がよくいう話で「役員報酬は900万円くらいまでに抑えたほうがいい」という論がある。結論から言うと、こういうアドバイスをする税理士に相談しても、一生お金持ちにはなれない。

     

    そもそも「900万円くらいで抑えたほうがいい」という主張の背景には、それくらいに抑えておかないと、役員報酬にかかる税金が法人税よりも高くなってしまうから、という理由がある。法人税の実効税率は33%くらい。

     

    一方、個人が納める所得税と住民税は、住民税が10%で、所得税は累進課税で所得に応じて最高45%まで上がる。この仕組みを踏まえて、収入を抑えて節税しましょうというわけである。

     

    でも、本当にそうだろうか。

     

    所得税と住民税が33%を超えるラインは確かに900万円だが、それは所得が900万円であって、給与が900万円ではない。

     

    所得は、給料からあらゆる所得控除を引いた後の金額のこと。所得控除には、社会保険料控除、生命保険料控除、配偶者控除、扶養控除、小規模企業共済控除、医療費控除などたくさんある。そして一番大きい給与所得控除も引かれる。そうなると、控除の内訳などによって多少の個人差はあるが、給料が1400万円前後の人が所得900万円となる。つまり1400万円までは税率を気にせずに給料をもらったほうがいいのである。

     

    お金持ちになりたい経営者にとっての「いい税理士」とは?

    ここまでが前提の話。

     

    私が伝えたいのは、そこではない。会社と個人の資産を増やしたいのであれば、報酬の上限など気にせず、たくさんもらったほうが良い。そのことを、経営者の皆さんに伝えたい。仮に所得税・住民税率が最高税率の55%に達したとしても、そんなことは気にせず、役員報酬を取る。役員報酬が増えるほど納税額は増えるが、同時に手取りも増える。

     

    手取りを増やし、手元の資金を増やすことで、そのお金を運用して増やすという選択肢ができる。実際、世の中の富裕層は、ほぼ例外なく、そうやってお金を増やしている。

     

    「役員報酬を抑えよう」「節税しよう」と考えるのは、富裕層になる道を自ら避けているのと同じなのだ。

     

    「資産を増やしたい」「お金持ちになりたい」と思うのであれば、目先の納税額ではなく、手元の資金を増やすことを考えることが大事。

     

    断言してもいい。税金をケチって役員報酬を抑えている人は、いつまで経っても富裕層にはなれない。

     

    「900万円までに抑えましょう」という税理士は、富裕層のお金の増やし方を知らない。

     

    「所得税のことなど気にしてはダメです」「たくさんもらって、そのお金を運用してください」そんなアドバイスができる人が、お金持ちになりたい経営者にとって「いい税理士」と言えるだろう。

     

     

    菅原 由一

    SMGグループ CEO

    SMG菅原経営株式会社 代表取締役

    SMG税理士事務所 代表税理士

     

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    ※本連載は、菅原由一氏の著書『激レア 資金繰りテクニック50』(幻冬舎MC)より一部を抜粋・再編集したものです。

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    菅原 由一

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