(※写真はイメージです/PIXTA)

建設業などでは、受注工事ごとに自社の費用と外注先等の費用をもとに予算を組み、工事の出来高に従って支払計上していきます。予算に対し、月々の支払いと残りの支払予定額をチェックしていきますが、なぜ必要なのでしょうか。経営計画の作成・推進支援のコンサルティング経験が豊富な中小企業診断士が著書『経営計画100の法則』(日本能率協会マネジメントセンター)で、解説します。

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かかるべき費用とかかった費用を徹底比較

■実行予算管理とは

 

建設業などでは、受注工事ごとに自社の費用と外注先等の費用をもとに予算を組み、工事の出来高に従って支払計上しています。実行予算管理のポイントは、なりゆき的な支払いを防止するため、実行予算管理一覧表を作成し、支払管理することです。

 

実行予算管理一覧表は、予算に対し、月々の支払いと残りの支払予定額をつねにチェックしていくシステムです。この一覧表をもとに毎月、当初予算に対し、進捗率に応じて支払った額と今後発生する支払残高が最終的にオーバーするのかを検討し、オーバーする場合には、ただちに対策を講じることができます。

 

■工事の精算

 

工事が完了した場合に、工事精算書を作成します。この精算書は工事の実際の支払明細を記載します。この精算書と実行予算書を比較して実行予算どおりかを検証します。工事の実際の支払いが実行予算を上回った場合は、原因を追求し今後の工事の対策を講じます。

 

■実行予算管理を行っていない会社

 

工事の出来高に従って支払いをしています。しかしその弊害として、ただ漫然と出来高で工事外注先に支払っているため、工期延長や想定外の難工事の発生で、支払いが増加し、最終的に赤字になる場合が多々あります。その結果として、工事の赤字が決算の赤字につながるのです。

 

▲実行予算管理一覧表の例。

 

次ページ実行予算管理は見積もりと実際の作業費の差額を把握

※本連載は、宮内健次氏の著書『経営計画100の法則』(日本能率協会マネジメントセンター)より一部を抜粋、再編集したものです。

A4一枚で作る PDCAを回せる 経営計画100の法則

A4一枚で作る PDCAを回せる 経営計画100の法則

宮内 健次

日本能率協会マネジメントセンター

「経営計画」は「A4用紙一枚」から。 この1冊で「A4一枚×経営計画」の基本がわかる。 1万件以上の経営指導をした元銀行マンが教える、最もシンプルな経営計画の実践メソッド。 経営計画をつくり、きちんと儲かる会社に…

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