新型コロナウイルス「変異株」の出現
新型コロナウイルスでは、変異株と呼ばれる遺伝子の変異によって感染力が強くなったウイルスがたびたび出現して急速に感染が拡大し、問題になっていることはみなさんもよくご存じでしょう。
新型コロナウイルスの変異は、遺伝情報を担うRNAのコピーミスによって起こります。しかし、変異によってウイルスに有利な影響だけが起こるわけではありません。変異によってウイルスの構造や活動に必要なタンパク質をうまく作り出せなくなれば、そうした変異ウイルスは駆逐されていきます。
一方、変異によって作り出された新たなタンパク質が、ウイルスの感染や増殖に有利な働きをもたらす場合、変異ウイルスは以前のウイルスとの競争で生き残りやすくなります。
ある変異が後代に引き継がれて定着すると、そうしたウイルスは新たな「系統」として区別されるようになります。そうした系統の中でも、性質の変化によって流行が広まったものや広まりそうなものを、新型コロナウイルスでは「変異株」と呼んでいます。
たとえば、イギリスで最初に確認されたアルファ株と呼ばれる変異株では、ウイルスのスパイクを構成するタンパク質が当初のウイルスと比べて変異しています。
タンパク質は20種類のアミノ酸が鎖状につながってできていますが、アルファ株では501番目のアミノ酸がアスパラギン(略号N)からチロシン(Y)に置き換わっています。これを「N501Y」の変異と呼びますが、501番目のアミノ酸は人間の細胞表面のACE2と結合する部位にあり、その変異が感染力の強化に影響を与えている可能性があります。アルファ株では、こうしたアミノ酸の置換や欠損などの変異が複数箇所起こっています。
また、インドで最初に確認された変異株のデルタ株では、L452R(452番目のアミノ酸がロイシン〈L〉からアルギニン〈R〉に置換)という変異が起こっています。デルタ株の感染力はおおむね従来のウイルスの約2倍、アルファ株の1.5倍とされ、日本国内で2021年7月以降に感染が急拡大した要因となりました。
新型コロナウイルスは、2週間に1箇所ほどのペースで遺伝情報の変異が起こるとされています。ウイルスの変異リスクはWHOや国立感染症研究所で分析され、その評価に応じて変異株を「懸念される変異株(VOC)」と「注目すべき変異株(VOI)」に分類しています。おもに感染性や重篤度が増したり、ワクチン効果を弱めたりといったウイルスの性質変化の可能性から、VOCやVOIへの分類が決められています。
今後も、新たな変異株出現への警戒・監視は引き続き必要です。一方で、新たな変異株に対してもワクチンの「重症化を防ぐ」というメリットに変わりはないだろうと、今のところは考えられています。
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