免疫細胞が破壊される「HIV感染症」
今から約40年前の1981年、アメリカで最初のエイズ(AIDS、後天性免疫不全症候群)の患者が報告されました。その後、患者の報告数は急増し、有効な治療法がなく短期間で死に至ったこと、性交渉(特に男性の同性間での性交渉)で感染すること、著名人も多く犠牲になったことから、アメリカを中心に「エイズパニック」が起こりました。
日本国内でも、1980年代後半にエイズ患者の発生が報告されました。自分も感染しているのではないかと恐れた人たちからの電話が保健所や医療機関に殺到し、患者や関係者への差別・偏見等の人権侵害が相次ぎました。
今回の新型コロナウイルス感染症でも同様のことがくり返されましたが、感染症によるパンデミックやアウトブレイクが発生した際には根拠のないデマに惑わされ、一人ひとりが信頼できる情報を正しく入手して、冷静に行動することが何よりも大事です。
エイズの原因となるヒト免疫不全ウイルス(HIV)は、人間のヘルパーT細胞やマクロファージなどの免疫細胞に侵入して増殖し、増殖したウイルスが飛び出す時に免疫細胞を破壊していきます。感染後2~4週間以内に悪寒、発熱、頭痛、筋肉痛、リンパ節の腫れ、倦怠感などの急性症状が現れますが、いったん収まります。
その後、数年から数十年の長い無症候期の間に免疫細胞が破壊されて減っていき、免疫不全が進行した状態をエイズといい、日和見感染症やがんによって1~3年で死亡します。したがって、「HIVに感染した(HIV感染症)=エイズ」ではありません。
これまでに全世界で約3500万人がエイズで死亡し、2020年末現在の世界のHIV陽性者数は3760万人、新規HIV感染者数は年間150万人、エイズによる死亡者数は年間69万人です。かつては致命的な病気でしたが、現在では薬(抗HIV薬)や治療法の開発が進み、HIVに感染しても服薬を続けることでエイズ発症を抑えられるようになってきました。ただし、現在はまだ根治はできず、薬を一生飲み続ける必要があり、難しい病気であることに変わりはありません。
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