その他 大人の教養
連載感染症時代の新教養「ウイルス」入門【第2回】

パンデミックの恐怖…森林破壊が「新たなウイルス」の出現を引き起こすワケ【東大医科学研究所感染症国際研究センター長・監修】

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パンデミックの恐怖…森林破壊が「新たなウイルス」の出現を引き起こすワケ【東大医科学研究所感染症国際研究センター長・監修】

20世紀に猛威を振るったスペイン風邪は、感染者数と死亡者数の多さから、人類史上最悪の疫病とも呼ばれています。新型コロナウイルス感染症はスペイン風邪以来のパンデミックですが、これ以降も時を置かず、新たなウイルス性感染症のパンデミックが発生する恐れは十分あるのです。※本記事は、川口寧氏監修の書籍『感染症時代の新教養 「ウイルス」入門』(実務教育出版)を抜粋し、再編集したものです。

20世紀のおもなパンデミック・アウトブレイク

20世紀に発生したパンデミックは、1918年から1919年にかけて発生したインフルエンザ、通称「スペイン風邪」です。わずか2年間で全世界でおよそ5億人が感染し、4000万人から5000万人が亡くなったことから、人類史上最悪の疫病とも呼ばれます。日本でも、当時の人口約5500万人のうち、半数にのぼる約2300万人が感染し、約38万人の死者を出しました。

 

スペイン風邪をもたらしたインフルエンザウイルスは、第1次世界大戦(1914~1918年)に参戦した各国の兵士が戦場を転戦することで世界中に広がったとされています。参戦国はみな、自国での感染拡大を知られると戦況が不利に働くことから、この感染症に関する情報を隠蔽し、報道を規制していました。

 

しかし、第1次世界大戦に参戦していなかったスペインの国内で感染症が猛威を振るっている様子がニュースで伝えられ、あたかもスペインだけで流行しているようにとらえられて「スペイン風邪」という名前がついたということです。

 

スペイン風邪はまさに世界的に大流行したパンデミックですが、20世紀にはこの他にも、世界各地で致死率の高い感染症が突発的に発生することがたびたびありました。こうしたものを、専門的にはアウトブレイク(集団発生)といいます。ただし、流行範囲が必ずしも全世界ではなく、一部の国や地域に限られる場合でもパンデミックという言い方がされることもあります。

 

20世紀以降に発生したウイルス性の感染症による代表的なパンデミックやアウトブレイクには、下記の表のようなものがあります。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は、真の「世界的」大流行という意味では、スペイン風邪以来ほぼ100年ぶりのパンデミックといえます。

 

 
20世紀以降のウイルス性感染症による死者数(2021年12月現在)

 

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東京大学医科学研究所感染症国際研究センター長
同研究所感染・免疫部門長/同研究所アジア感染症研究拠点長
 

東京大学大学院博士課程修了、博士(獣医学)取得。専門分野はウイルス学。

「ウイルスがどのように増殖し、病気を引き起こすか?」といったウイルス学の根幹をなす命題に迫る戦略的基礎研究を推進する。また、ウイルスの制圧に直結する新しいワクチンや抗ウイルス剤の開発につなげる橋渡し研究も行う。

2016年テルモ財団賞受賞、2018年小島三郎記念文化賞受賞、2021年野口英世記念医学賞受賞。

一般向け著書・監修書に『ひと目でわかる! ウイルス大解剖(子供の科学サイエンスブックスNEXT)』(誠文堂新光社)、『ネオウイルス学』(共著/集英社)。

著者紹介

連載感染症時代の新教養「ウイルス」入門

※本連載は川口寧氏監修の書籍『感染症時代の新教養「ウイルス」入門』(実務教育出版)を抜粋し、再編集したものです。

感染症時代の新教養 「ウイルス」入門

感染症時代の新教養 「ウイルス」入門

川口 寧 監修

実務教育出版

本書は、「ウイルス」を病気を起こすという悪玉的側面だけでなく、ウイルス感染症が引き起こす社会現象、社会変化が引き起こすウイルス感染症、感染することによって宿主に益をもたらす善玉ウイルス、調教ウイルスによる病気の…

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