20世紀のおもなパンデミック・アウトブレイク
20世紀に発生したパンデミックは、1918年から1919年にかけて発生したインフルエンザ、通称「スペイン風邪」です。わずか2年間で全世界でおよそ5億人が感染し、4000万人から5000万人が亡くなったことから、人類史上最悪の疫病とも呼ばれます。日本でも、当時の人口約5500万人のうち、半数にのぼる約2300万人が感染し、約38万人の死者を出しました。
スペイン風邪をもたらしたインフルエンザウイルスは、第1次世界大戦(1914~1918年)に参戦した各国の兵士が戦場を転戦することで世界中に広がったとされています。参戦国はみな、自国での感染拡大を知られると戦況が不利に働くことから、この感染症に関する情報を隠蔽し、報道を規制していました。
しかし、第1次世界大戦に参戦していなかったスペインの国内で感染症が猛威を振るっている様子がニュースで伝えられ、あたかもスペインだけで流行しているようにとらえられて「スペイン風邪」という名前がついたということです。
スペイン風邪はまさに世界的に大流行したパンデミックですが、20世紀にはこの他にも、世界各地で致死率の高い感染症が突発的に発生することがたびたびありました。こうしたものを、専門的にはアウトブレイク(集団発生)といいます。ただし、流行範囲が必ずしも全世界ではなく、一部の国や地域に限られる場合でもパンデミックという言い方がされることもあります。
20世紀以降に発生したウイルス性の感染症による代表的なパンデミックやアウトブレイクには、下記の表のようなものがあります。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は、真の「世界的」大流行という意味では、スペイン風邪以来ほぼ100年ぶりのパンデミックといえます。
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