新型コロナウイルス、危険な「変異株」出現のプロセスとは?【東大医科学研究所感染症国際研究センター長・監修】

新型コロナウイルス、危険な「変異株」出現のプロセスとは?【東大医科学研究所感染症国際研究センター長・監修】

新型コロナウイルスは、遺伝子の変異によって感染力が強くなった「変異株」ウイルスがたびたび出現し、急速に感染拡大することが問題となっています。また、遺伝情報の変異は2週間に1箇所のペースでが起こるとされ、専門機関や医療の専門家が警戒・監視しているのです。※本記事は、川口寧氏監修の書籍『感染症時代の新教養 「ウイルス」入門』(実務教育出版)を抜粋し、再編集したものです。

種の壁を超えて感染したコロナウイルスがやはり危険

もともと他の動物を宿主としていたウイルスが、種の壁を超えて人間に感染するようになると重篤な症状を引き起こすことは、これまでも話してきました(『パンデミックの恐怖…森林破壊が「新たなウイルス」の出現を引き起こすワケ』参照)。それはコロナウイルスでもやはり同じです。

 

SARSはもともと、キクガシラコウモリを自然宿主としていたウイルスが、中間宿主であるハクビシンに感染し、さらに人間に感染したという経路をたどったと考えられています。鼻部が菊の花を想像させることから「きくがしら(菊頭)」という名がつけられたこのコウモリは、日本、ユーラシア大陸、イギリス、モロッコにまで広く分布しています。またMERSは、自然宿主のコウモリから中間宿主のヒトコブラクダを介して人間に感染するようになったと推定されています。

 

そして新型コロナウイルスは、おそらくコウモリが自然宿主であり、何らかの中間宿主を介して人間に感染するようになったと考えられています。しかし現時点では、新型コロナウイルスの起源は不明のままです。

 

[図表4]SARS・MARS・新型コロナウイルスの感染経路

 

 

川口 寧
東京大学医科学研究所 感染症国際研究センター長

 

2025年2月8日(土)開催!1日限りのリアルイベント
「THE GOLD ONLINE フェス 2025 @東京国際フォーラム」
来場登録受付中>>

 

【関連記事】

■税務調査官「出身はどちらですか?」の真意…税務調査で“やり手の調査官”が聞いてくる「3つの質問」【税理士が解説】

 

■月22万円もらえるはずが…65歳・元会社員夫婦「年金ルール」知らず、想定外の年金減額「何かの間違いでは?」

 

■「もはや無法地帯」2億円・港区の超高級タワマンで起きている異変…世帯年収2000万円の男性が〈豊洲タワマンからの転居〉を大後悔するワケ

 

■「NISAで1,300万円消えた…。」銀行員のアドバイスで、退職金運用を始めた“年金25万円の60代夫婦”…年金に上乗せでゆとりの老後のはずが、一転、破産危機【FPが解説】

 

■「銀行員の助言どおり、祖母から年100万円ずつ生前贈与を受けました」→税務調査官「これは贈与になりません」…否認されないための4つのポイント【税理士が解説】

 

※本連載は川口寧氏監修の書籍『感染症時代の新教養「ウイルス」入門』(実務教育出版)を抜粋し、再編集したものです。

感染症時代の新教養 「ウイルス」入門

感染症時代の新教養 「ウイルス」入門

川口 寧 監修

実務教育出版

本書は、「ウイルス」を病気を起こすという悪玉的側面だけでなく、ウイルス感染症が引き起こす社会現象、社会変化が引き起こすウイルス感染症、感染することによって宿主に益をもたらす善玉ウイルス、調教ウイルスによる病気の…

人気記事ランキング

  • デイリー
  • 週間
  • 月間

メルマガ会員登録者の
ご案内

メルマガ会員限定記事をお読みいただける他、新着記事の一覧をメールで配信。カメハメハ倶楽部主催の各種セミナー案内等、知的武装をし、行動するための情報を厳選してお届けします。

メルマガ登録