(※写真はイメージです/PIXTA)

英語ができると大学入試で有利になることは周知の事実です。特にわが子を難関大学に進ませたいと考える場合、いつから英語を学ばせるべきか、どのような学習方法がよいのかなど、気になる保護者の方は多いでしょう。ここでは個別指導で生徒の8割を東大・京大医学部に合格させた乾俊和氏が、英語を得意科目にするための具体的なメソッドを解説します。

「英会話ができるか否か」は「英作文の力」にも影響

英検や大学受験で役立つ中級レベルの英会話ができることは大学受験においても極めて有利です。というのも英会話ができる人の多くが、英作文を得意としているからです。英検の上位級である準1級や1級ではライティングでどれだけ得点を伸ばせるかが合否のカギを握っています。リーディングやリスニングと同じ配点にもかかわらず、得点しやすいのがライティングです。また、難関大学の二次試験では英作文の比重が高いのが一般的です。最近では100語以上の自由英作文を課す大学が増えてきました。

 

〈英会話ができる人の英作文の特徴〉

●ケアレスミスが少ない

●簡潔な表現を使うので、読みやすく間違いが少ない

●表現力が豊かなので、上手く言い換えることができる

 

〈英会話のできない人の英作文の特徴〉

●3単現のsや動詞の活用、名詞の単数・複数などのミスが多い

●難しい単語や表現を使いがちなので、読みにくく間違いが多い

●同じ表現を繰り返したり、do、it、soなどの語句を多用してしまう

「英語が苦手な中学生」は6割…原因は「語彙・文法」

■英語が苦手な子のうち、約5割が「中1前後で苦手になっている」

少し前のデータですが、ベネッセ教育総合研究所の調べでは、英語を苦手と感じている中学生は約60%です。そのうち80%が「中1の後半」までに英語を「苦手」と感じています。調査から10年以上経っていますが、現場で教えている感覚からすると現在も大きな変化はないように思います。

 

英語に苦手意識を持つ理由が語彙学習と文法学習です。ここでは、文法が嫌いになる原因を考えてみましょう。原因が分かれば解決策も見えてきます。

 

⇒約5割の子どもが中1前後で英語に苦手意識

英文法を「正しく理解できない理由」と「解決策」

■日本語を意識しすぎた学習

「彼は幸せそうに見える」を英語で書かせると、多くの子どもがHe looks happily.と解答します。正解はHe looks happy.です。では、なぜ子どもたちはhappyではなくhappilyとしてしまうのでしょうか。一つにはhappy「幸せな」、happily「幸せに」と覚えているのが原因です。英文法を学習する際に日本語訳を意識しすぎているためです。「幸せ(そう)に」だからhappilyとしているのです。こうした覚え方をしている子どもはHe looks happily at me.とHe looks happy.の違いが理解できていません。

 

⇒訳よりも「役(働き)」に意識を向ける

 

■指導者の学力不足

助動詞の単元ではcouldをcanの過去形と指導することがほとんどです。本当でしょうか。東大や京大に合格していった子どもでもHe coulde ata horse.を和訳させると平気で「彼は馬を食べることができた」とします。馬は種類にもよりますが、その体重は数百キロです。常識的に考えても食べることはできません。この英文の意味は「彼はものすごくお腹が空いている」が正解です。この場合のcouldは「…しようと思えばできるほど」という意味を表しています。

 

もう一つ例を挙げましょう。動詞の後ろに続くのが不定詞か動名詞なのかを問う問題は、文法問題では超頻出です。これを指導する際に、未だにingを取る動詞の頭文字を合わせて「メガフェプス=megafeps(mind、escape、give up、avoid、finish、enjoy、practice、stop)」と暗記させる指導者がいます。親世代もこの指導を受けた方が大半ではないでしょうか。

 

⇒文法ができるようになるには良き指導者を見極める

 

■アウトプットの練習不足

英文法にかかわらず、知識の定着にはアウトプットが欠かせません。英文法に関しては、インプットとアウトプットの割合は1:9を目安にしてください。「知っている」「できる」段階ではなく、無意識に「使っている」状態が目標です。アウトプットの最大のものが英会話です。英会話を習っている場合は、学習した文法知識を積極的に使って会話することをお勧めします。また、問題集を利用するのも良いでしょう。有名どころの問題集を5冊程度揃えてください。1冊では量が足りません。また問題集によっては、記載されている問題に偏りも見受けられます。これを3回繰り返しましょう。1回目は解説の熟読、2回目はなぞり学習(問題文を読んで解説をなぞる)・分からない点を潰す、3回目は実際に解いてください。

 

⇒教科書やテキストの熟読よりも問題集を活用する

 

 

乾 俊和

株式会社ドゥクエスト 代表取締役社長

 

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※本連載は、乾俊和氏の著書『具体的すぎる難関大学現役合格メソッド40』(幻冬舎MC)より一部を抜粋・再編集したものです。

中高一貫校生徒の親が知っておくべき 具体的すぎる難関大学現役合格メソッド40

中高一貫校生徒の親が知っておくべき 具体的すぎる難関大学現役合格メソッド40

乾 俊和

幻冬舎メディアコンサルティング

勉強への意欲がアップする! 定期テストや模試の成績も上がる! 東大合格も夢じゃない! 塾講師として中高一貫校に通う子どもたちを約30年間サポートし、学校の最下位グループから東大理IIIや京大医学部に進学させた実績…

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