世界の投資家の間で注目度の高いフィリピン不動産。新型コロナウイルス感染の流行の収束もなかなかみえてこないなか、フィリピンの不動産マーケットはどのような状況なのでしょうか。一般社団法人フィリピン・アセットコンサルティングのエグゼクティブディレクター、家村均氏が解説します。

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フィリピン経済…コロナ禍から、徐々に回復基調に

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不動産市況をみていくにあたり、まずは新型コロナ感染症の流行の状況と消費動向、そして、それらがどのように住宅市場に影響を与えるのか、考えていきましょう。

 

まず新型コロナウイルス感染症ですが、ここフィリピンでもオミクロン株は流行しています。しかしワクチン接種率の向上や重症化リスクが低いということもあり、以前のようにロックダウンといった厳しい処置はとられていません。

 

消費者・企業のセンチメント(特定のブランドや企業に対して、市場全体が抱いている印象や心理状態)が改善してきたことを背景に、2022年のフィリピンの不動産市場は回復がみこまれています。

 

フィリピン・保健省によると、2021年末までに約5,000万人がワクチンの完全接種が終了。2022年までに国民の90%がワクチンを接種し集団免疫を確立する、というのが政府の目標です。

 

また消費動向は、食品は2020年*が前年比プラス5%、2021年*が前年比プラス3%、アルコール飲料は2020年が前年比マイナス24%、2021年がマイナス5%、衣料品は2020年が前年比マイナス14%、2021年がプラス4%、娯楽費は2020年が前年比マイナス54%、2021年がプラス20%、飲食・宿泊費は2020年がマイナス52%、2021年がプラス11%と、プラスに転換してきています。

 

これにより、住宅市場は再び活性化し、コロナ禍前の上昇相場、上昇基調になると予測されています。

 

*各年度第3期

フィリピンで不動産購入の主役となるのは?

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不動産需要の主役はOFW(Over Seas Philippino Workers)という海外で働くフィリピン人です。彼らが稼ぐ外貨はフィリピンに送金されますが、その規模は年間約3兆円と、フィリピンのGDPの実に10%程度相当。フィリピン経済を支える柱のひとつです。

 

海外からの送金は、さすがにコロナ禍の一時は減りましたが、それでも顕著に推移しています。そして、海外からの資金の約半分が不動産購入に充てられている、といわれています。つまり、OFWがフィリピンの住宅需要を下支えしているのです。

 

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